それでもきっと、大好きだから「……はい、少し疲れが出たみたいで……しばらくジョウトでゆっくりしようと思います。
お世話になったのにすぐご挨拶に向かえなくてすみません。はい、近いうちにまた」
電子音と共に通信の途切れたポケギアをベッドに放り投げ、何度目かわからない溜息をついた。
あの日シロガネやまを降りた私は、久しぶりに実家に帰ってきていた。
本当はグリーンさんや、入山許可をくれたオーキド博士にも早めに顔を見せるべきなのだけれど……今は正直、合わせる顔がない。
チャンピオンになった後、ウツギ博士にカントー行きのチケットをもらったときはかなり慌ただしく飛び出していってしまった。本当にしばらく実家で過ごすのもありかもしれないな……、なんて考えつつベッドに預けた頭を軽くつつかれる。
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