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    yomotaka5

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    yomotaka5

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    理工学部応用物理学科助教アロとバイトの法学部2年ルクの高度マニアックパロです
    だいたいモクマ さんくらいと20歳くらいでほんのりどうぞ

    アーロン・バーンズ助教
    専門 応用物理、医療工学

    学内パンフレットの彼の紹介文。冒頭の時点で、僕はそっとパンフレットのページを変えた。
    自分が彼の授業を取る可能性が限りなく低いため、今回採用されたことが分かった気がした。
    ルークはエリントン大学の2年。法学部法律学科。バスケットボールサークル「マイマイム」に所属している、ごく健康的な大学生である。
    とはいっても、ハイスクールの際に父親を亡くし、父の残した遺産と奨学金、それから持ち前の努力と粘り強さでエリントン大学法学部の切符を勝ち取り、なんとかまぁ大学生をしている。
    後期は犯罪心理の成績は割とよかった。レポートはA+で、担当の先生より添削と優秀の旨とお礼メールが届いた。しかし、簿記会計がギリギリC。やばかったなぁ。家のお金の話とか、ためにはなったけど。
    将来は父親と同じ国家警察の職につくことも踏まえ、その勉強も始めていた。父が残してくれた遺産や持ち家等で学費はなんとかなるが、遊ぶ金等でこれらを使うのには申し訳ない。
    アルバイト等については、1年時にオープンキャンパスのスタッフ。年度末に友達と引っ越しの日雇いをやったり、小学生にバスケットボールを教えるボランティアなどは行っていた。
    しかし、将来を意識するにあたり、少々これでは財布的にも人生経験的にも不足だと感じており、あまり履歴書経歴書に悪いイメージがつかないようなことをと模索していた先に、大学の掲示板に書かれていたバイトに目が止まった。

    「理工学部物理学科 引っ越し書庫整理 アルバイト募集 文系学部の生徒を積極的に採用します
     年度末の研究室内の器具整理、事務作業を目的として、学生アルバイトを募集します。
     特に文系学部の学生を募集します。」

    と書いてあった。
    先生と生徒の癒着はあってはならない。専門的な分野において生徒がTAなどをすることは理系ではよくあることらしいが、それとは別に評価に偏りが発生しないようにわざと他の学科の生徒を雇ったり、生徒の傾向を活かすこともよくある話である。
    以前に、法学部でも情報学科の生徒がデータ入力のアルバイトをしていた。そりゃあ法学部の生徒よりタイピングが早いのは当然だからである。
    法学部、という指定がない以上、今回は前者が理由としては真っ当だろう。
    大学のパンフレットの助教授は無駄に男前である。このイケメンっぷりで大学教授。目標がなくとも人生はイージーだろうな。と思う。
    画像を検索すると、何かの学会の表彰式の写真が写っていたが、一人だけ背も高いときたもので涙が出そうになった。股下に固定資産税が発生しそうだな。と思っていた。
    採用の旨と一緒に、研究室を移動させてもらえるとのことでそれらの引越し業務とのことだった。
    ちゃんと理由を説明してくるあたりが安心できる。この人律儀なんだろうな。
    学内のホームページを見ると、どうやら彼は最近学内の若手教員か何かの分野で表彰をされたらしい。
    他の授賞者にはルークも1回授業をとって女子ばかりで大変だっがA+をいただきメッセージまでくれた犯罪心理学の非常勤チェズレイ 先生が写っている。なるほど。
    それにしてもこの二人、並ぶと股下に家賃が出そうで大学の先生の授賞式とは思えない華やかさである。あ〜なんだか緊張してきた。

    コンコン と助教室の扉を叩く。他学部というだけですっかりよその世界だ。
    「どうぞ」
    としゃがれた男の声がする。しかしいい声だ。声までいいのか。参ったな。
    「失礼します」
    とルークが入ると、目の前に大量の荷台が既に用意されていた。
    なるほど。自分で引越し準備はある程度してくれている人なんだな。
    理系の先生=白衣かというとそうでもないといわんばかりの風貌で、ゲームの無課金アバターのような黒のTシャツにジーンズが無駄に素材の良さを引き立てているのが分かる。
    こっちは一応シャツを着てきたというのに。こうも世界は僕にばかり厳しい。
    男はコーヒーを片手に薄型のPCをいじっている。くそう。無駄にかっこいい。
    「アルバイトできました。法学部2年、ルーク・ウィリアムスです」
    と言うと、男は立ち上がる。やっぱりでかい。けっこうでかい。そしてやっぱり足が長い。
    「ようこそルーク。さっそくだがそこの荷物」
    「はい」
    「図書館の本、98冊。リスト確認。図書館に全部返してきてくれ」
    「….はぃぃ?!」

    開始10秒でレベルの高いお使いがきてしまった。
    段ボールの中にはみっちりと本が詰められている。よくわからない外国の本もたくさん。しかもほとんどが物理の本。頭が痛くなりそうだ。
    教養科目のコンピューターリテラシーでやった「サーバー攻撃」みたいなやつ。今、僕はこれを自分の大学の図書館に、他人の本でこれから物理的にやるのか。
    そう思うととってもこれから図書館に行きづらい。司書の方、申し訳ございません。
    リストと確認しながらガラガラと二台を押していく。本を図書館まで持っていき、司書さんとリストを再度確認しながらチェックをつけ、本を返却していく。
    それにしても、こんなみっちりの本、どうやって箱に詰めたのだろう。意外と整理整頓もうまいと見える。あとどう考えても荷台に乗せるまでにこの重たい箱を担ぐ場面があると思うんだが…
    ただ、よく本のリストなんかでその人がどう言う人かわかる、彼氏よりネット通販の履歴の方がセンスも趣味も理解も高い、とはよく聞くもので、物理ばかりではなく、研究倫理の本、「伝えやすいレポートの書き方」「犬でもわかるレポート構成」などのほか、さっぱりとした文学作品、星空の写真集なども借りていた。これは研究に直接関係ないだろうけど。
    ただ、これを見て、いわゆる何も知らずレポートを出してきたフレッシュマンにD評価をつけたりするタイプの先生じゃないことは見て取れる。
    意外と学力のみの一般試験で入学してしまうと、高校の流れでレポートや小論文、作文を書いてしまい低い評価をつけられる、そのギャップで悩む学生は多い。
    その点から考えると、この先生は存外優しい人なのかもしれないと思った。
    リストが綺麗に作られているのを見ると、丁寧な人なのも伺えた。あとサインがめっちゃかっこいい。
    「先生ってこんなに本借りれるんですね」
    「そりゃあ、100冊までOKですから」
    司書のお姉さんは答えてくれたが「アーロン先生本人がよかったのに」と言わんばかりの表情なので、見た目だけならず図書館での振る舞いもイケメンとみた。
    いやぁ、この人開始10秒で100冊近い本の返却の業務を押し付けてくる人ですけど。
    でも多分、優しいんだろうな。と、思った。
    しかし、ここでくじけてはいけない。バスケ部の体力、若者の体力を侮って欲しくないな。と思うとちょっとやる気が沸いた。3往復ほどで本は片付いた。
    「終わりました!」
    不思議なことに、あれだけ本をためておきながら、年度末や延長手続き等で延滞している本は1冊だけだった。
    そして、最後の二台の上に、そっけない紙袋の中に、「お手数をおかけいたしました」と司書あてに綺麗な筆跡のメッセージに、レモンキャンディが5つ。
    これは恋する乙女の顔に司書をさせる。
    こういう気遣いもできるのか。これはモテるのもうなずける。研究者なんて変態ばかり、変人ばかりだと院生の先輩がのたまう世界で、きっと彼はハスマリーの恵みの雨のようなものなのだろう。
    当人がいないのにあっという間にお姉さんがメロメロになっているのがわかった。
    律儀でモテる。すごい先生だなぁ。と部屋に帰ると、先生は立ちながらバケットをかじりながらパソコンをいじっていた。
    「お疲れ。割とあったろ。マイナーな本ばかり読んでるとハードカバーしか手にはいらねぇから面倒くさくて仕方がねぇ。そこの丸椅子使え」
    ちょっと歳を食ってはいるかもしれないが、それが男の色気を掻き立てるタイプだ。粗暴な言い方に腹が立たないのも、イケメン補正と、本から通じた彼の優しさから見えたものだった。
    うーん。何を言うべきだ。
    「あ、その。98冊、完了です」
    「ご苦労。コーヒー、飲めるか?」
    「飲めます!だいすきです!」
    「砂糖とミルクは?研究室移動の時の荷物減らしてぇんだ。好きなだけ使っていいぜ」
    紙カップに入ったコーヒーと、おそらくおあつらえで買ったと思われる砂糖とコーヒーフレッシュが机上に無造作に置かれている。
    とりあえず5本ほどいただこう。
    「お前、それ砂糖の味しかしねーだろ…」
    そう言う先生はブラックを男らしく飲んでいる。かっこいい。
    「お前昼飯は?休みの日だから学食やってねぇぞ」
    「なんか買ってこようかと思いますが、先生は何かご希望は」
    「バケットのサンドイッチ。あればパストラミ。なきゃハムでもいい」
    そう言うと懐からお札を出してくる
    「昼食支給だ。お前もかってこい」
    「あ、わかりました。駅前のあそこですね」
    「と、その前に」
    先生は懐からそれっぽい封筒を差し出した
    「ついでに生協のエンドウって店員に金返せっていってこの封筒ついでに渡しとけ」
    ついでのレベルおかしくない?
    助手バイト、現在日本価格にして時給千五百円の3時間、ちょっと延長すれば現在の僕の働きは五千円。
    お昼のついでに50万円の借金の催促状を生協にたたきつけなければ、昼休憩もまだである。午後の業務は、まだこれから。
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    yomotaka5

    DOODLEひと段落して消防士になったアロとルクと近所の子供 1

    遡らずに一気に読みたいとのことでこちらにも投函
    せっかくだから甘ったるいおまけも添えて
    エリントンのエレメンタリースクール生、ジャックは悩んでいた。
    学校の課題にて「目標にしたい働く大人」が教師から提示されていたが、いかんせん父は海外出張。
    来週までに仕上げてこい。父の帰宅を待っていては1日で取材と作文を書き込むと言う苦行を強いられることになるうえ、いまいち将来像としてピンとこない。
    むしろなぜ目標が既に働くことで大人なんだろう。とちょっと思ったりしながら、ジャックは帰路の真っ最中だった。
    そのため、ちょうどいい人物を探していた時だった。
    刈り上げの頭に、ちょっと寝癖がぴょこりとしているあの頭が、ちょっと遠くに見えた。
    「あっ。ルークじゃん。」
    「ああ、ジャック。学校帰り?」
    「そんなとこ。ルークは今日はコート着てないから、お休み?」
    「まぁね。」
    帰り道、近所の顔馴染みの、警察官の「ルーク」に目が止まった。
    ルークは国際警察にも関わらず、この近辺のひったくりやら盗難など、地域巡査かと言わんばかりの世話焼きをする青年だった。
    昔同じような国家警察の父親がいて、それに憧れて警察官になった。みたいな話もしてくれたことがある。
    いかんせん、大人なのにどこか自分に近しい彼とは、公 4894

    yomotaka5

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    学内パンフレットの彼の紹介文。冒頭の時点で、僕はそっとパンフレットのページを変えた。
    自分が彼の授業を取る可能性が限りなく低いため、今回採用されたことが分かった気がした。
    ルークはエリントン大学の2年。法学部法律学科。バスケットボールサークル「マイマイム」に所属している、ごく健康的な大学生である。
    とはいっても、ハイスクールの際に父親を亡くし、父の残した遺産と奨学金、それから持ち前の努力と粘り強さでエリントン大学法学部の切符を勝ち取り、なんとかまぁ大学生をしている。
    後期は犯罪心理の成績は割とよかった。レポートはA+で、担当の先生より添削と優秀の旨とお礼メールが届いた。しかし、簿記会計がギリギリC。やばかったなぁ。家のお金の話とか、ためにはなったけど。
    将来は父親と同じ国家警察の職につくことも踏まえ、その勉強も始めていた。父が残してくれた遺産や持ち家等で学費はなんとかなるが、遊ぶ金等でこれらを使うのには申し訳ない。
    アルバイト等については、1年時にオープンキャンパスのスタッフ。年度末に友達と引っ越しの日雇いをやったり、小学生にバスケッ 3841