至極厄介な誕生日「どうしよう。まさかこんなことになるとは思ってなくて……」
夕暮れの医務室で夏油が項垂れると、向かいに座る家入が青汁の原液を無理やり飲まされたような顔をした。つまりは相当ひどい顔ということである。
「どいつもこいつも、ここを無料のキャバクラか何かと勘違いしてんの? くだらない話を嫌な顔せず聞いてほしいなら、酒を注いでくれる若くて可愛い女のところに行きな」
「なんてことを言うんだ。硝子は今も若くて綺麗だし、硝子にお酒を注いでもらえるならいくらでも金を積みたい男はそこらじゅうにたくさんいるよ」
「掘り下げてほしいのはそこじゃないんだわ。なんでどいつもこいつも一番に私のところに来るわけ? 自分の尻の穴くらい自分で拭けって言ってんだよ」
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