臨界点到達間近 快晴のカンカン照りから来る暑さと、修行とは言え熱が入った闘いの余韻で、身体は湯気が出るのではと思う程に熱かった。
今日の修行場所として選んだ岩場から程近く、真夏でも冷たい水が絶えず流れている滝を前に、悟空は躊躇いもなく高所から滝壺へと飛び込んだ。
全身を包み込む水の感触に、身体に籠った熱と疲労が一気に霧散していくようで心地がいい。ふと見上げると、ゆらゆらと揺れる水面に陽射しが差し込んでいて、その向こうに『彼』がいると何となく気付いていた。
「…はーっ!きっもちー!」
ざぶんと顔だけを水面に出すと同時に叫ぶようにそう言うと、心底呆れたような表情を浮かべてこちらを見下ろしていたベジータと目が合う。
「いい歳してガキみてえにはしゃぐな」
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