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    しゃもじ

    タル魈しかないとおもう

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    しゃもじ

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    タルタリヤ誕の小話。
    弊ワットの一軍パでわやわやしてるだけ

    とある夏の日⚠︎注意
    ・諸々の遺恨は水に流してパーティ組んで旅してる設定
    ・弊ワット一軍パ(鍾離、七七、魈、タル)+蛍とパイモンがいます









    「そういえば公子、明後日誕生日だったよな?」
    討伐任務に向かう道すがら、蛍と戯れながら飛んでいたパイモンが、ふと前を歩くタルタリヤに声を掛ける。
    「お、よく覚えてたね。えらいぞおチビちゃん」
    「そりゃ、あんだけアピールされたらな…」
    なぁ?と求められた同意に、頷きを返す蛍。
    2週間前から毎日のように「俺の誕生日、7月20日だからよろしく」と言われ続ければ嫌でも覚えるというものだ。
    「ここはひとつ、祝いの席でも設けるのはどうだ?」
    蛍に並んで歩いていた鍾離が、どこか浮き足だった様子で名案とばかりに声を僅かに弾ませる。
    「いいけど…鍾離、お前ちゃんと財布持ってこいよ…。さすがに今回は主役に払わせるわけにいかないぞ」
    「…む…」
    そのまま押し黙ってしまった鍾離に、やっぱり考えなしだったのか!と声を荒げるパイモン。
    「おいわい…ココナッツミルク、ある?」
    ちょんちょんと蛍の服の裾を引き、キラキラした目で見上げてきたのは、鍾離と逆隣を歩く七七。
    何か美味しいごはんが振る舞われる場だというのは理解しているらしかった。
    さてどうするか。思考しながら蛍は後ろを振り返る。つられて振り向いたパイモンが、名案とばかりにポンと手を打った。
    「そうだ!ここは公平に魈に決めてもらおうぜ!」




    いつかの7月20日





    「…な、何だ」
    少し離れて後ろを歩いていた魈が、一斉に向けられた視線に微かにたじろぐ。
    「公子がな、明後日誕生日なんだ。皆でお祝いしようって鍾離が言ってるんだけど、魈の意見も聞こうと思って」
    「鍾離様がそう仰るのなら、我は従うまでだ」
    「あ〜!そうだ忘れてた!魈は公平じゃないんだった!」
    間髪入れず返ってきた答えに、パイモンが頭を抱える。
    「彼もそう言っていることだし、やはり宴席を」
    「ココナッツミルク、のみたい」
    「だーかーらー!オイラたちには先立つモラが!ないんだってー!」
    オイラたちは貧乏旅なんだぞ!いつも野宿してる意味わかってるのか!
    各々好き勝手言う大人と子供にパイモンがいかに我々が貧乏であるかを説いている。
    おそらく馬の耳に念仏であろうそれを、一歩離れて生暖かく見守っている蛍の元に、先頭を歩いていたタルタリヤが引き返してきた。
    「ちょっと皆、盛り上がってるとこごめんね。気持ちはありがたいんだけどさ、俺、明後日からスネージナヤ帰るんだ」
    「なんだって!!!?」
    パイモンが飛び上がるほど驚き、声を上げる。怒りの矛先はそのままタルタリヤへ。
    「お前、あんなにアピールしておいて当日いないなんてひどすぎるぞ!!!」
    「あはは、ごめんごめん。まさか本当にお祝いしてくれるつもりだったなんて思ってなくて」
    タルタリヤは、悪びれもせずへらへらと笑いながらパイモンの頭をくしゃくしゃと撫で、更に神経を逆撫でしている。

    「毎年、誕生日は家族と過ごすんだ」
    だから、暫くは任務も同行できない。ごめんね。両手を合わせ謝られる。
    タルタリヤが何より家族を大事にしている事は、先立っての出来事で知れていた。
    そして、その姿に自らの兄を重ねたことも蛍はまた、思い出していた。
    「まったく…仕方ないなぁ…テウセルにちゃんとお土産買ってってやれよ、公子」
    「戻ってきたら、七七嬢リクエストのココナッツミルクで乾杯でもするとしよう」
    「七七も、おいわい、する」
    「はは、みんなありがと」
    タルタリヤは最後に魈を見て、へらりとわらう。
    「魈も誕生日、祝ってくれる?」
    「…断る理由もない」
    腕を組み、ついと視線を逸らす魈。その様子に小さく笑い、タルタリヤは再び先頭を歩き出し、少し先で肩越しに振り返り、わらった。

    「財布に山ほどモラを補充して、また帰ってくるよ」
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