ドタデレラ⑤「すごい……これが、ぶとうかい……」
ドタデレラははじめてみる、おしろのようすやぶとうかいにめをぱちぱちとさせています。みんな、すてきなどたまをかぶってきれいなかっこうをしています。
「まあ、あのかわいらしいおじょうさんはだれかしら?」
「どこかのおひめさまかしら?」
「それに、あのどたま。ガラスでできているわ」
「なんてすてきなの」
まわりのひとたちはドタデレラとどたまのうつくしさにみとれていました。
「くそっ……なんだ、あのおんな……!おくれてきてめだちやがって……!!」
「そうじゃの……いや、じゃが、すばらしいどたまじゃ……!!」
「……………」
くやしそうなフレイザーこと、おもわずドタデレラにみとれるザボみ。そして、こくこくとうなずつミスこ。
きれいなかっこうをしていたので、はいってきたのがドタデレラだとさんにんはきずきませんでした。
「さわがしいな……どうした?」
「んー、なんかだれかおくれてきたみたいですね」
ドタデレラがあらわれてざわついているようすに、いままできょうみがなさそうにしていたフローラおうじはなにごとかとみてみます。
「………っ!!なんてうつくしいひとだ!!」
フローラおうじはぎょくざからがたんとたちあがりました。
「あの、おくれてきたひとだ!あのひととどたまうちをしたい!!」
フローラおうじはドタデレラにひとめぼれをしました。ポップがひたいにてをかざしてドタデレラをみてみます。
「へー、フローラさま。ああいうタイプがこのみなんですね。たしかにめっちゃかわいいけど、おれはもっとおっぱいがおおきいほうが……」
「うるさい、だまれ。クビにするぞ」
「ひぃっ!パワハラ!!」
フローラおうじからにらまれて、ポップはびくっとします。フローラおうじはドタデレラのもとにあるいていきました。
「ようこそ。すてきなおじょうさん。わたしとひとうちつきあっていただけますか?」
すてきなおうじさまからてをさしだされましたが、ドタデレラはとてもしんじられません。
「わたし……ですか……?」
「ええ、そうです」
ドタデレラはゆめのようにしあわせなきもちになりました。
「……はい、よろこんで」
ドタデレラはフローラおうじのてをとり、おうじはドタデレラのてのこうにキスをしました。しかし、ドタデレラはとてもふあんです。
「あの……おうじさま」
「どうしました?」
「わたし……じつは、どたまうをしたことがないのです……」
そうです。ドタデレラはちちおやがなくなってからずっとめしつかいのようなせいかつをしていたので、どたまうちをしたことがないのです。
「そういうことですか……だいじょぶうぶですよ。ゆっくりとしますから、わたしのうごきにあわせて」
「はい」
やさしいおうじさまのことばに、ドタデレラのむねがときめきます。
アカーン
アカーン
ふたりのどたまがかさなりあい、とてもすみきったうつくしいおとがなりひびきます。
「そう。とてもじょうずだ」
「ありがとうございます」
ふたりのいきのそろったどたまうちに、まわりのひとたちもみとれています。
「くっそーーーなんだよ!おれがおうじとどたまうちをするはずだったのに!!!」
「おちつけ、フレイザーこ。火事になってしまうじゃろ」
ふたりのようすをみてかんかんにおこっているフレイザーこをザボみがおちつかせていました。