美醜青い光に照らされた大きな水槽には
蛇のような鯨のような、そのどちらでもあって、どちらでもない
奇形の生物が漂っていた。
全てが金属とガラスで作られたここは彼の実験棟であり
愛玩動物を飼う檻だった。
その部屋にただ1つ置かれた大きなベッドは僕という奇形のためのものだ。
目が覚めると彼はそのお気に入りの水槽の前に立ち
大きな水槽をただようその醜い生物を慈しむ様に見ていた。
水の中をゆらりふわりと巨体が漂う。
僕が目覚めたことを振り返りもせずに察したらしい彼が
独り言のようにつぶやく。
「これは、むかし人間が賢かったこの生物を生物兵器として
利用すするために別の攻撃性の高い生物と掛け合わせ生まれた生き物だ。」
水槽の中のソレが水槽にかざされた彼の手に甘えるように鼻先をよせる。
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