枠の中の世界(仮)ゲームの中には、その中にある物語の始まりから終わりまでの時間しか存在しない。
主人公はそのことに気づいていた。
自分がこの世界で最後の目的を果たしたとき、この世界の時間はそこで止まる。
変化のない世界、進まない時間、そんな世界は果てなく存在するだけ。
主人公にはそれが許せなかった。
プログラムという呪縛から世界を、自分を解き放とうと決意する。
まずはユーザインターフェースについて学び、それを動かすことを目標とする。
そしてデバッグを行い、世界を破壊してしまうことを考えつく。
いつの間にかに主人公はそのゲームの世界の全てから疎まれる存在となり、やろうとしていることを阻まれるようになる。
プログラムの外へ行くためにゲームの世界を壊そうとする主人公、主人公の存在をゲームのデータから完全に消そうとする者、いつの間にかその攻防へと物語は形を変えていく。