ふたりでならどこだって作:ツキナガ 絵:むた かすみ
深い深い森の奥。
小さなおうちに、オオカミさんがひとりぼっちで暮らしていました。
小鳥のさえずりと、風が木を揺らす音の他に何もない静かな森で、オオカミさんはいつもひとりぼっちでした。ですが、少しも寂しいと思った事はありません。
小さなおうちには、オオカミさんのお気に入りのソファと、木イチゴのジャム、そして、大きな望遠鏡があります。
ソファはいつでも、お空の雲のようにフワフワ。
森の木イチゴで作るジャムは甘酸っぱくて美味しくて、パンが足りなくなってしまうくらい。
そして大きな望遠鏡は、覗き込めばどこまでも見渡せました。
望遠鏡は、夜空のお星さまをキレイに映します。見上げただけでは小さな点のようなお星さまも、望遠鏡で覗き込めば、大きな光に見えます。
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