高校生❄️🌋と小学生🐆の話クザサカとルッチの話(仮題)
人の縁というのは不思議なもので、“過去のつながり”というのは切れないものだと、クザンは今までの経験から強く感じていた。そもそもかつて自分たちの生きてきた世界は、今自分のいる世界では“物語の中の世界”と認識されているのを知った時は驚いたものである。
ともかく、前世は“物語の中の世界”で生きていたなんて言ったら笑われるのはいい方で、下手したら白い目で見られたり迫害の対象になったりする可能性が十分ある。だからクザンは前世の話を人にすることはない。相手が自分と同じように記憶を持っていたのなら別だが。
自分と同じように転生した者が多いことを彼が知ったのは、中学生になった頃だった。小学生の頃は全く見なかったのに、新入生や先輩の中には、見覚えのある顔がちらほら居た。その中で記憶を持っていたのは一部だけだったが、話の合う知り合いが増えるにこしたことはなかった。
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