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    12_nekome

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    12_nekome

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    超リハビリです。
    妄想をそのまま勢いで書いたから誤字脱字支離滅裂かも。眠い。
    これからちょくちょく小説も書いていきたいね。

    双子赤赤でオレ(征十郎)、僕「征士郎」です。

    帝光名物ブラコン双子「最近、征がグイグイきて困ってるんだ」
    「……………はぁ」

    学生にとって貴重な昼休み、僕は4限の合同体育で一緒になった赤司くんから珍しく一人でお昼に誘われ普段使用されていない教室で二人っきりでお弁当を広げていた。
    相談事があるんだ、と何でも一人で解決できてしまう赤司くんから上目遣いで言われてしまえば断ることもできず、自ら赤司征十郎のテリトリーに踏み入れてしまった。この後めんどくさいことに巻き込まれるかもしれないと思いながらも踏み込んでしまう、赤司くんには人をそうさせてしまう魅惑的なところがあるからいけない。案の定、弁当箱の蓋を開けたと同時に話を聞いてみればやはり面倒臭そうな匂いがぷんぷんする返答が返ってきた。
    「征くん、ですか」
    「あぁ、オレの片割れの」
    いやもちろん知ってるけども。
    赤司は二人いる。この帝光中学では超有名で誰もが知っている事実だ。目の前にいる一人称がオレで温厚でお淑やかな赤司征十郎くんと、その双子で一人称が僕で魔王のようなオーラを放つ赤司征士郎くん。この二人は双子だから有名なのではない。どちらもあらゆる面で秀でており、対極的ではあるが人を魅了し崇拝したくなるような魅力を持っているからこそ有名なのだ。
    だが、実は赤司双子はそれだけではなく、もう一つの点でも有名だった。
    それは────

    「征くん、ブラコンですもんね」
    「……………あぁ」

    極度のブラコンということだ。



    「それで、グイグイ来てるのは前からじゃないですか?最近何か変わったんでしょうか?」
    「話が早くて助かるよ、黒子」
    目の前の赤司くんは豪華絢爛なお弁当の伊勢海老を箸で摘みながらため息を吐いた。というか中学生の弁当で伊勢海老。流石は御曹司だが、赤司くんはこれで自分が金持ちということを隠せると思っていたのだろうか。
    「今までは確かに一般的な兄弟よりは距離が近いとは思っていたんだが、でも双子だからこれが普通だと思ってたんだ」
    普通じゃないですけどね、というツッコミは敢えて卵焼きと一緒に飲み込んでおく。
    「だけど最近、虹村さんに『お前ら、いっつもベタベタしてるよな』って言われてしまって……。副主将としてあるまじき失態を犯してしまったのではないかと悩んでたんだ」
    うん、まあ、虹村さんなら臆せず言いそうですね。征くんの反応が怖いので僕は言えずにいましたが。
    「だからこれからは学校では少し距離を置こう、と征に提案したのだけど、断固拒否されてしまって挙げ句の果てには校内での接触が以前より増してしまって」
    「……はぁ」
    「虹村さんにはまだ特に指摘はされていないけど、やはり一度言われている身としては気が気じゃないし、どうにか手を打ちたいと思ってお前に相談したんだ」
    「……………」
    なんでそこで僕を買ってくれたんでしょうか。
    それにしても虹村主将も最初の時は別にそこまで意味を持って言ったわけではなさそうでしたが、そんなに気にしなくてもいいとは思いますけど。それに、今は征くんがめちゃくちゃ牽制してるので言うに言えない感じもありますね。
    なんてことを直接言っても赤司くんにはあまり通じないと思うので、とりあえず僕は話を聞くことにした。
    「赤司くんは征くんのどんなところがグイグイ来ていると思うのですか?」
    「え、と、そうだな…」
    赤司くんは少し珍しく考えるそぶりをして指を折りながら一つ一つ説明を始める。
    「前までは昼休みのときくらいしかオレの教室に来なかったんだけど、最近は毎休み時間ごとに教室に来てて『充電だ』とか言いながら抱きしめたり手を握ったり握った手にキスしてきたりするようになったんだ」
    なるほど、それでいつも休み時間のたびに隣のクラスに人が集まってたんですね。
    「あと、部活の時も作戦会議とか立ってミーティングする時必ずオレの腰を抱くんだ。流石にオレも違和感があって注意したんだけど『練習の声がうるさいから近い方がいいだろ』って逆に諌められてしまって」
    あの瞬間、赤司くんがボードに目線を落としてるとき征くんは二人を見る部員に睨みを効かせてるのは言わないほうがいいでしょうか。
    「赤司くんは嫌なんですか?」
    「嫌、ではないけど。やはり周りから見たらおかしいだろう?それに、征が近いとオレもあまり平静でいられないし……」
    「周りから、は正直君たちを見て嫌悪感を抱く人はそうそういないと思いますよ。耽美というか、一部それを楽しんでる人もいますし」
    「そ、そうなのか?」
    まあその中に邪な目で見てない人がいないとは言えないが。
    「えぇ、それと征くんが近くにいると平静を保てないというのは、どうしてですか?」
    「それは……」
    赤司くんが言い淀み、重箱に置かれた伊勢海老の死んだ目と目が合う。
    言葉を選んでいるのか珍しく歯切れが悪いが、意を結したのか大きく口を開いた瞬間────

    「やぁ、僕もお昼に混ぜてくれよ。テツヤ」

    魔王が降臨した。
    相変わらず逆光での登場で畏怖に磨きがかかる征くんは、本人談穏やかな笑みを浮かべて僕らに近づく。目はかっぴらいてますが。
    「征十郎、昼に教室に行ったらいなかったから心配したよ」
    「征。オレだってたまには別の人と食べたりしたくなるさ」
    「……そう」
    やばい。これはまずいです。今すぐミスディレしてここから脱出しないと。
    征くんは赤司くんの顎を掴み無理矢理自分の方に顔を向けさせている。少女漫画でしか繰り広げられない展開が起きている最中に、今のうちに───
    「テツヤ、何を話していたか、話してくれるよな?」
    捕まった。
    「!黒子はただ一緒にご飯を食べていただけだ。関係ないだろう?」
    「特段積もる話をしていないなら、その内容を話せるだろう?それに僕が混ざっててもよかったはずだ」
    征くんの眼光はいつも不思議な魔力を持っているようで、睨まれるとなかなか動けない。
    「僕に聞かれたくない内容だったのかな?」
    こうなると下手な隠し立ては己の首を絞める。僕は心の中で赤司くんに謝罪をして「征くんが最近グイグイくることに戸惑っていると相談されました」と素直に報告した。
    赤司くんからは恨みがましそうな視線をもらってしまったが、すみません、征くんのプレッシャーに勝てる人類はいません。
    その答えを聞くと、納得したのか征くんは僕から視線を外し赤司くんに向き直る。よし、今のうちに逃げよう。
    僕はそそくさと弁当箱を包み、影の薄さを最大限に活用し空気となり教室から出た。緊張から解放されて締めた扉の前で一息吐くと、教室の中から密かに「ぁっ」や「ん、征…だめっ」なんて声が聞こえたが無視だ。
    僕の正解を平穏に保つには、この双子とは適切な距離を保ちその関係には一切突っ込まないこと。
    触らぬブラコン双子に祟りなし、です。


    ちなみに後日赤司くんからはちょっとムッとした顔で「あの日のことは他言無用で」と押されたけど、逃げたことは不問にされた。あの状況的におそらく逃げて正解だったのだろうと、無意味に邪推してしまったし、赤司くん自身も満更でもなかったのだろうと得心を得た。
    とりあえず、今日も帝光名物のブラコン双子は健在です、と。
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