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    はるもん🌸

    @bldaisukiya1

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    ヒマワリを振り回す藍景儀クン

    景儀が暴れた日「この花園をハゲ頭にしてやる!悔しい悔しい」

    ヒマワリを引っこ抜き、ぶんぶんと振り回している姿の藍景儀を藍忘機は薄いその瞳で静かに眺めていた。広大な花園で邪祟を見つけるには二手に分かれる必要があった。唸るような声を耳にし、やってきたのである。ぽんと肩に手を置かれた。魏無羨だ。

    「よ、藍湛」
    「どうなっている?」

    6人の弟子を連れ、夜狩に来ていた。花園に人を惑わす化け物が出るため、退治してほしいと依頼が来たのだ。

    「見ての通り、取り憑かれてこの有様だ。人を殺してどうのこうのってわけじゃないようだから、景儀のカラダに入った霊の欲求を調べて穏便に浄化させてやるところ。お前らよく観察しろ。霊が一体何をしたいのか、見極めるんだ」

    魏無羨の指示に、姑蘇藍氏の弟子たちは真剣に暴れまわる藍景儀を見つめる。

    「魏先輩、あの霊が何がしたいのかまったくわかりません」

    藍思追が助けを求めるように魏無羨を見る。

    「さっきも言ったろ?よく見てればわかるって。含光君はもう気づいたみたいだぞ」

    頷く藍忘機の様子に、弟子たちは驚く。目を皿のようにし、じっくりと藍景儀を見た。

    「同じところをぐるぐる回ってるだろ?あそこには何があると思う?」

    本当だ!と弟子がそれぞれ声を出し、動き出す。

    「誰かが景儀を抑え込んで、地面を剣で掘るんだ」
    「はい!」

    全員が真面目に指示された通りに動いている。

    やれやれと魏無羨が首をふった。

    「おまえんとこの弟子はまだまだだな。あんなに背はデカいのに、まるでお遊戯だ」
    「君が指導を続ければ、より成長する」

    「いいだろう。しかし報酬は高いぞ?そうだなぁ。お前からの口づけ100回が妥当だな」
    「安い」
    「そうか?じゃぁ120回にしとこうか」

    魏無羨は藍忘機の肩に頭をコテンと乗せて甘える。

    「魏先輩!死体です。縄で縛られています」
    「よく見つけた。それをしっかり供養してやれ。そうすれば霊もおだやかになるはずだ。思追、景儀の中に入った霊を追い出してやれ」
    「わかりました」
    「俺と含光君は急ぎの用事ができた。あとは任せるぞ」

    気持ちのいい返事をする弟子たちは処理をしながら、それぞれ感づいていた。これから二人だけの時間を楽しむのだろうと。藍思追が術を唱え、二本の指を藍景儀の額に当てる。
    目が中心に寄り、おかしな顔になっていた藍景儀が通常に戻った。

    「はぁ。もっと早く気づけよ」
    「意識はあったんだ?」
    「あったよ。ヒマワリを振り回すあたりからずっと。霊から体を取り戻せなくてむかついてた」

    手をつなぎ、仲良く同じ剣に乗って空を飛ぶ二人を見上げ、藍景儀がつぶやく。

    「あの二人、夜狩中なのによくもあんなにイチャイチャできるな」
    「仕方ないよ。最近また藍先生が新しい家訓を増やしたから」

    藍思追は先ほど藍景儀が引き抜いたヒマワリを地面に植えなおしながら言った。

    「また、増えたのか?」

    藍景儀が鳥肌を立て、口をへの文字にする。

    「雲深不知処では手をつなぐべからず‥‥て、二回も藍先生が座学で言ってたよ。また居眠りしてた?」
    「俺決めたよ。将来藍先生の次に偉い人になって、雲深不知処の家訓を減らす」
    「はは、がんばって」

    FIN.
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    recommended works

    sgm

    DONE現代AU
    ツイスターゲームをしようとする付き合い立て曦澄。
     確かに、藍曦臣があげた項目の中に「これ」はあった。そして自分もしたことがないと確かに頷いた。
     ただ、あまりその時は話を聞けていなかったのだ。仕方がないだろう?
     付き合い始めて一か月と少し。手は握るが、キスは付き合う前に事故でしたきりでそれ以上のことはしていない。そんな状態で、泊まりで家に誘われたのだ。色々と意識がとんでも仕方がないではないか。もしもきちんと理解していれば、あの時断ったはずだ。十日前の自分を殴りたい。
     江澄は目の前に広がる光景に対して、胸中で自分自身に言い訳をする。
     いっそ手の込んだ、藍曦臣によるからかいだと思いたい。
     なんならドッキリと称して隣の部屋から恥知らず共が躍り出てきてもいい。むしろその方が怒りを奴らに向けられる。期待を込めて閉まった扉を睨みつけた。
     だが、藍曦臣が江澄を揶揄することもないし、隣の部屋に人が隠れている気配だってない。いたって本気なのだ、この人は。
     江澄は深いため息とともに額に手を当てる。
     「馬鹿なのか?」と怒鳴ればいいのだろうが、準備をしている藍曦臣があまりにも楽しそうで、金凌の幼い頃を思い出してしまうし、なんなら金凌の愛犬が、 4757

    sgm

    DONEアニ祖師13話の心の目で読み取った行間埋め曦澄。
    人間らしい感情への羨望。
     夷陵の町ですれ違った時に、藍曦臣はその青年が知己であることに最初気が付くことができなかった。
     それほどまでに自分の記憶の中の彼と、頭から深くかぶった外套の隙間から見えた彼とは違った。だがそれも無理もないことだろう。
     蓮花塢が温氏によって焼き討ちにあい、江宗主と虞夫人、蓮花塢にいた江氏の師弟は皆殺しにあった、という話は身を隠しながら姑蘇へと向かっている藍曦臣の耳にも入っていた。江公子と、その師兄である魏無羨はいまだ行方知れずだとも。故に、魏無羨が共におらず江澄が一人で歩いていることに、藍曦臣は少しばかり驚きながらも、人気のなくなったところで声をかけた。驚き振り向いた彼の瞳に光があることに安心する。
     自分の姿を見て驚く江澄と会話し、藍曦臣は当然のように彼を姑蘇に連れて行くことにした。
     当初、江澄は魏無羨が自分を待っているはずだ、探さなければと、藍曦臣との同行を拒否した。
     一人では危険だ。
     これから自分たちは姑蘇へと戻り他の世家と共に温氏討伐のために決起するつもりだ。そうすれば江澄がどこにいるか魏無羨にも聞こえ、あちらから連絡が来ることだろう。闇雲に探すよりも確実ではないか。
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