本日のゲストは僕の好きなひと「「「「好きなひとができた!?」」」」
馴染みの居酒屋の二階で僕の友人たちは声を揃えた。
いくら貸切とはいえ声が大きすぎる。一階からは賑やかな声が聞こえているから、僕たちの声も下に聞こえていてもおかしくなかった。
「もっと静かに驚いてくれよ」
「無理を言うなよ、ゼロ」
そう言って心配そうに眉を顰めているのは僕の幼馴染のヒロ。現在は俳優兼シンガーとして活動している。
「そうだそうだ!パパラッチの餌食になったばかりだってのに、突然好きなひとができた、なんてどう考えても怪しいだろ」
松田は持っていたジョッキを勢いよく置いた。
「悪い女に騙されてない?お兄さんに相談してご覧?」
そのはずみでテーブルに飛び散ったビールの泡を萩原がお手拭きで拭く。
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