パァアンッと空気を裂くような破裂音が職員室内に響き渡る。
担当授業を終えて職員室へ戻って来た俺と不死川は職員室内の光景に思わず足を止めてしまった。
頬を押さえて呆然としている冨岡と、冨岡の頬を打った手を握り締めながら俺たちに背を向けている鱗滝。
一体どういう事だ。なんで中等部の鱗滝が高等部の校舎、それも職員室に居ておまけに冨岡を殴ったんだ?
理不尽に一方的に殴るのは冨岡の専売特許だろ。
事態を飲み込めず呆然と立ち尽くす俺と不死川。
「PTAがなんだ。教師となったのなら進め!どんな苦しみにも黙って耐えろ!」
鱗滝がなんか熱い事を叫んでおそらく最初から現場に立ち会ってしまったのであろう煉獄に諌められているが、今は内容なんてどうでもいい。
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