道端の草でバズった夏来の話俺がそのことを知ったのは、放課後になってすぐ届いた、シキからの連絡だった。
ピンク色の派手な猫が、「ヤバイ!」と汗をかいて焦っているスタンプ。通知バナーを押して、LINKのアプリを立ち上げた。
『ナツキっち!! ヤバいっす!!!』
『キンキュージタイっす!!!!!』
緊急、事態……?
また、部室にゴキブリとか、その手のやつかな、なんて……。
とにかく心配になった俺は、あまり自分からはする機会のない、電話マークを押した。
流石のシキだ。2コール目が鳴る前には繋がった。
「あー! ナツキっち! おめでたいっすね!!」
「お、おめでたい……?」
「えぇ!? 見てないんすか!?」
「えっと……何のこと?」
「ナツキっちのアカウント! 今すぐ開いてくださいっす! バズってるっすよ!!」
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