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    暁/houhoupoteto

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    オロイフ、ヌヴィリオ、タル鍾SS置き場

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    ##オロイフ

    ●●/●● no.7
    患者名:ノト
    種族名:コホラ(成竜)
    年齢:約5歳
    体重:79kg 全長:123cm
    症状:左ヒレの裂傷(直後、感染なし、出血あり)
    対処:……………

    時折筆を止めながら、見逃しや書き逃しがないかを確かめながら、本日の出来事をしたためていく。
    インク瓶にペン先を浸して、縁で余分なインクを落とす。その状態で、そういやおとなしい性格だったなと思い出し少し戻って書き足す。
    このインクの匂いが好きだったりする。今日一日の全てを書き記すこの時間。…自分に何が出来たのか、出来なかったのか、次に活かすためには。そんな総復習の時間。
    以前まではただただ父親の真似をして書いていた。辛くて逃げ出したかった症例も、自分の不甲斐なさでなくなってしまった症例も、ただ心を無にして。
    でも、いつしかそこから振り返ることが出来るようになった。
    患者やパートナーからの感謝の言葉を思い出せるようになった。
    『僕は結果より君のしてきた過程を見るのが好きだ』と言ってくれた人がいた。
    …まぁ隣にいるんだが。
    「見すぎだ。もうちょい離れてろ」
    畑仕事が忙しい時以外ほとんど入り浸るようになったオロルンは、長椅子に横にまたがり肘をついてじっとこっちを見ていた。
    「いや、この角度が好きだ」
    「何の話だよ」
    手を止めず、視線もそらさずに会話する。
    患者1頭に最低1ページ。先に患者数分用意して書き出した残りは1ページ。
    「もう少しだから待ってろ」
    手を伸ばした所に頭を擦り寄せてきたのでわしわしとかき乱す。
    「ん、なんかいい匂いする」
    その手を掴まれる。
    「あーなんだろうな。インクか?おい離せ」
    「…イファの匂いだ」
    急に掌を無遠慮に嗅がれて慌てて引っ込める。
    「は!?お前やめろって汗かいてんだから」
    診察終了から片付け、晩飯、カクークの寝かしつけを終えての今だ。書き終えたらシャワーに入ろうと思っていたのでまだ身体はベタついている。
    「イファの汗の匂い好きだ」
    「やめろ汚い」
    「僕のイファになんてこと言うんだ。謝ってくれイファ」
    「えぇ…」
    俺の左手は未だにものすごい力で囚われている。
    …そろそろ続きを書いてしまいたい。そう思いつい移してしまっていた視線をカルテに戻そうとした時。
    「おまっバカ!」
    まるで『僕から目を離すな』とでも言いたいような、そんな目で。指の間を舐められた。
    「…その気になってしまった」
    「なってしまったじゃないんだよ。俺仕事してるよな?」
    「ごめん。でもそうなってしまったのも仕方ないと思う」
    「あのなぁ…」
    普段、俺の仕事の邪魔は絶対にしてこない。…視線やちょっかいはあるが。なんならこっちがその気になった所でお預けを食らうこともしばしばだ。
    …だから、
    「あと、どれくらい待てばいい?」
    「っ…あと1ページ、だから」
    正直、興奮する。
    「右手だけで書ける?」
    「かけ、なくは…ない」
    それをよし、と受け取ったのか、左手はオロルンの両手に包みこまれた。
    「イファの手、好きだ」
    指の間をマッサージするように一本一本触り、その付け根にキスを落とす。
    喉が鳴る。
    「イファ、こっち見てたら書けないよ」
    薬指にキスをしながら上目遣いでたしなめられた。
    「離、せ…って」
    「書けるって言った」
    「俺だって早く終わらせてお前とくっつきてぇの!」
    はっとした時にはもう口から全て出てしまっていて、オロルンは目を丸くしていた。
    「あ、いや…」
    ぱっと左腕が解放される
    「ほら早く書いて。イファ何してるんだ」
    「あーもーだからイヤだったんだよ言うの!」
    さっきまでの行動から一転して少し距離までとって真顔で言うオロルンと、真っ赤になった顔を隠すことしか出来ない俺。
    最後の1ページは逆に普段よりも時間がかかってしまった。
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    れっか

    DOODLEタル鍾のうさぎバース
    TLで湧いてがーって書いたので世界観がめちゃくちゃです……。うさぎバースの詳細は各自で回覧お願いします。
    タル鍾のうさぎバース風呂場からあがり、冷んやりとするフローリングを踏みしめながらベッドの上に身を置く。滴る水滴をタオルに染み込ませながらゆっくりと体を拭いていった。
    「ふぅ」
     ほんの少し茹る体はこれからの快感を待ち焦がれているようだ。毛が密集する場所である頭髪と腰にある丸い尻尾を細やかに、丁寧に、香りの良いオイルで染み込ませて行くのが鍾離の日課であり楽しみであった。
     (愛も変わらず伽羅の香りは落ち着く。)
     細い手に琥珀色の粘性のあるオイルがとろりと落ちる。それを手に広げて自身の頭にある大きな耳をにゆっくりと馴染ませていった。
    根本には少しだけ。中間から毛先になるにつれて多めに漬け込んでいく。満遍なくしっとりした毛心地はずっと手入れをしているおかげで埋めたくなるような柔らかさだ。大きなうさぎの耳を顔の前に持っていけばふわっと広がる重厚な香りに酔いしれそうで。風呂から上がったとはまた違った意味で頬を染めていく。この時間がなんとも気持ちよくて。このまま眠ってしまいたくなるくらいに幸せで。
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