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    暁/houhoupoteto

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    オロイフ、ヌヴィリオ、タル鍾SS置き場

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    タル鍾
    20分以内にハグをしないと出られない部屋

    ##タル鍾

    『20分以内にハグをしないと出られません』
    何度みてもそう書いてある。
    その下には時計

    『18分』

    「ふむ、ハグとはなんだ公子殿?」
    「そこから!?全然時間ないんですけど!?」
    その壁を向いて腕を組んで微動だにしない先生をどうすればその気にさせられるのか
    「あれだよほら。抱き合えばいいんだよ。」
    「時間切れを待つのはいけないのか?」
    「えっ…考えたことなかったけどそれはありなの?」
    ふむ、と考え込む
    そしてオレの前に両手を広げて立ち塞がった。
    「ではさっさと済まそうか」
    「えぇ…」

    『13分』

    「何故来ないのだ?」
    「雰囲気が無さすぎるしオレが先生を抱き締めたいからそれは断る」
    明らかに何を言っているのだこいつは、という顔
    負けてたまるか
    「ほら、こいよ」

    『6分』

    「腕疲れてきたんですけど?」
    「このやり取りに何の意味があるんださっさとこい」
    二人とも両手を広げたままの膠着状態。端から見れば完全にシュール以外の何物でもないだろう
    「先生さ、もしかして恥ずかしいんでしょ」
    無言
    「…図星か」
    「何の意味もなく抱き合う等…無意味ではないか」
    「出れないの!!諦めて先生!!」

    『3分』

    「ほらマジで時間無いからさ、しよ」
    「う、来るな…」
    ジリジリと詰め寄るとジリジリと後退りされてしまう
    「はぁ…わかったよ。別な方法探そうか。どうせ暇なアビスが考えたこと何だろうし見つけ出して締め上げれば何とかなるでしょ」
    その瞬間、背中に衝撃
    下をみると腕をまわされている
    「せ、せんせ…」
    「これでいいのだろう」
    オレの首に顔を埋める先生
    …なにこれ、可愛いんですけど
    「せんせ、ハグってのは正面から抱き合わないとダメなんだよ?」
    「そ、れは…無理…だ」
    ぎゅぅ、と強く絞められる
    「ほらせんせ、こっち向いて?」

    『1分』

    ゆっくりと離れる体
    後ろを向くと赤くなった顔
    「なにそれ…オレも恥ずかしくなるじゃん…」
    つられてオレも熱くなる
    こんなことで恥ずかしがるなんて、神様なのにバカみたい
    なんなんだよ…うるさいな、心臓

    『10…9…8…』

    「わっヤバいヤバい早く…っ」
    唐突に、
    胸に飛び込んできた先生はいつもより小さく感じ
    そのまま押し倒される形でドアにのし掛かる
    「ぅわっ!!」
    扉の前にいた蛍ちゃんたちの目の前に現れる
    「鍾離!!タルタリヤ!!大丈夫か!?」
    飛び寄るパイモン
    固まる蛍
    「何、問題ない」
    パンパンと服をはたきながら立ち上がる先生の顔はまだ赤く
    「ははは、いやほんと先生には申し訳ないよ」
    「そっか、良かったぞ本当に!!よし!!奥に進もう!!」
    二人が遠ざかった後、小声で言う。
    「…今度はもう少し優しく飛び付いてきてね」
    「…もう、無い」
    こんな一面、オレだけのものにしておきたいなんて、独占欲がわいたのは内緒にしておこう
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    エリンギ猫

    DONE #ディルガイワンドロワンライ

    +30m

    Dom/Subユニバース
    Domのディルック
    Switchのガイア

    pixivで上げているシリーズの設定です。初めて参加するのでルールを間違えてたらすみません。
    その隣に雲一つない快晴の中、柔らかく射し込む陽の光がステンドガラスを輝かせている。まるで神からの祝福のように降り注ぐ色とりどりの光を受けて、透き通ったヴェールがきらりきらりと瞬く。

    「風神――バルバトス様の祝福があらんことを」

    厳かに語られた神父の言葉に、涙を滲ませた純白の女性がふわりと微笑む。幸せなのだと、その顔を見ただけで分かるほどに、満ち足りた表情だった。

    その小さな顎に掛けられた指先が緊張のせいか、はたまた感動のせいか、微かに震えていて、ガイアは思わず目を細めて笑みを浮かべた。そっと合わせられた唇はすぐに離され、それに合わせて周りから一斉に祝福の野次が飛ぶ。

    2人は照れ臭そうに笑い合い、そうして額を擦り寄せてもう一度唇を重ね合わせた。それがあまりにも幸せそうで、ほんの少しだけ、羨ましくて。ガイアはチラリと横目に自身の隣を伺うと、宝石のように赤い双眸と視線が絡み合う。徐に伸びてきた温かな手のひらが、ガイアの膝に置かれた手を柔らかく握り、はんの少しだけ身を寄せあった。
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