共に行こう「俺は、最後の竜の騎士としての使命を果たす。だから、行くよ」
大魔王バーンを地上で倒したのが五年前。そのバーンとは別の魔界の勢力との戦いが勃発したのは、その戦いからわずか一年半の事だった。そして、それと同等の歳月が経った頃に、バーンとの戦いからずっと行方不明だった勇者ダイが発見された。けれど、その事を知る者はごく一部だけに留まった。
彼が再び戦いに身を投じるようになってから二年後、漸く真の平和が地上に訪れた。そんな中、父の跡を継いで竜の騎士、更には竜騎将を名乗るようになった勇者ダイは、僅かな手勢を引き連れて地上に戻ってきた。
五年振りの勇者の帰還。それはあまりにも急ではあったが、ささやかながらも彼の無事を祝う宴が開かれた。久々に一同が会したそれは、温かな空気に包まれ、不透明な今後に希望を持つ事が出来る何かを感じさせた。
11010