いじらしい相棒 ぱちり。空色の瞳が見開かれて次の瞬間、周囲を見渡した。随分深く寝入っていた。ということは、外ではない。自室でもないが、慣れた内装。シンプルで落ち着いた内装の単身者用の部屋。の、中に、奇妙に枝を伸ばす盆栽を発見して納得する。日日日蒼の相棒──暁蕾の家である。
「参ったな、記憶がない。しかし俺の帰巣本能も捨てたモンじゃないな」
「グッドモーニング相棒。ちなみに今は20時だし、お前は信じられないほど汚れたまま私のベッドを占領していたよ。丸一日ね。風呂入ってくれる?シーツ洗うから」
「相棒!どうして俺はここに?」
「君の靴は君より賢いらしいね」
「そりゃあそうさ。忍具のひとつだ」
「そうかい、粗雑な扱いに耐えかねたってとこか?片方家出してるぜ」
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