うたた寝 放課後部屋に戻って初めて自覚した眠気と怠さ。うっかりベッドに倒れ込めば、夕食を食べ損ねてしまうほどに眠りこけてしまいそうだった。特に無理をした覚えはないのだが、はて。記憶を遡ってもやはり心当たりはない。そういう日もあるだろう。兄弟ほど顕著ではないが、ジェイドにだって何となく調子の悪い日というものは存在する。納得して、ジェイドはこれからの予定に思考を移した。今日はラウンジの仕事を進めておきたかったのだがこのままではあまり捗りそうにない。少しだけ考えて、ジェイドはVIPルームへ行くことに決めた。あそこにはアズールがいる。人の気配があれば幾分か気を張っていられるだろう。
VIPルームの扉を開けると想像通りアズールが奥の机でペンを走らせていた。ジェイドがここで仕事をしたいと告げるとすんなりと了承の返事が返ってくる。ジェイドがVIPルームにいるのは特に不思議なことではない。ラウンジの仕事をしたいというならなおさらだ。アズールにしても断る理由はないという訳である。
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