1.C-(side:L) ガルグ=マクにはフォドラ中の者が集まる。出身地別に学級は分かれるがそれでも一年間身分に関係なく共に同じ学び舎で学ぶ。礼服に身を包んだローレンツは級長になれなかったことで落胆していた。ただあの胡散臭いクロード=フォン=リーガンを見極める機会は得られたし生涯の伴侶をガルグ=マクで見つけることができるかもしれない。士官学校で見つけられなければ見合いをするようにと言われている。結婚した後で妻を愛せるようになるのだろうと思っていてもローレンツは最初から親を頼るのは嫌だった。
職員の指示に従い壮麗な聖堂での長い式典の後それぞれの教室で待機することになった。こうして改めて学友たちを眺めてみると金鹿の学級は他の学級と比べて平民の学生の割合が多く逆にグロスタール家の嫡子であるローレンツが気を使わねばならないような名家の出の者は少ない。ゴネリル家、エドマンド家、コーデリア家のご令嬢くらいだろうか。ローレンツは彼女たちとは初対面だが失礼のないように名前と髪の色、瞳の色は先に覚えておいた。
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