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    柴漬け

    クロヒルの沼から世界を見てるおばさん

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    柴漬け

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    以前書いた『想い想われ』のクロヒル初エッチを切り取った小説もどきです。パスワードはヒルダちゃんとクロードくんのお誕生日8桁!
    ご興味ある方は暇つぶしにどうぞ!

    ##クロヒル

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    MAIKING何話か進めばクロヒルかつロレマリになる予定です。

    書いてる人間はこの2年間クロロレのR18本しか出していないのでTwitterアカウントは閲覧注意かもしれません。タイトルはそのうち決めます。
    2.C-(side:H) クロードは他人の喉元に入り込むのが上手い。ヒルダ自身も楽をするために他人の喉元に入り込む自覚があるのですぐに分かった。それにしても十代の男子が女子の体調を気遣うなんて珍しい。ディミトリもメルセデス辺りに頼んでいるのだろうか。そんな訳で不本意ながらヒルダは女子学生の意見をまとめクロードに伝える係をやっている。レオニーは臆さないが盟主の嫡子と言うだけで萎縮してしまう学生もいるのだ。

     一度役割を任されてしまえば期待に応えないわけにいかない。だからこそヒルダは期待をかけられることを嫌い責任というものから逃げ回っていたのだがそうなってみるとどうしても気になる同級生がいた。マリアンヌだ。とにかく何も話さずすぐに一人で厩舎へ行ってしまうので噂話だけが流れている。ダフネル家の代わりに五大諸侯に加わったやり手のエドマンド辺境伯は注目度が高い。おそらくヒルダの兄ホルストの次くらいに学生たちから注目されている。マリアンヌは彼のお眼鏡に叶って養女になったとか目ぼしい若者が彼女しかいなかったから仕方なく彼女を養女にしたとかそんな噂だ。クロードの耳にも当然入っている。
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    MAIKING何話か進めばクロヒルかつロレマリになる予定です。

    書いてる人間はこの2年間クロロレのR18本しか出していないのでTwitterアカウントは閲覧注意かもしれません。タイトルはそのうち決めます。
    3.C(side:L) ローレンツは大荷物を抱えて忙しそうにしているベレトに手伝いを頼まれた。

    「そろそろ雨が降る。では頼んだ」

     ベレトの指差す方向を見てみれば確かに雲が密集し色濃くなっている。彼から渡された学生宛の手紙は雨に降られる前に配った方がよさそうだった。

     結構な量の手紙の束を確認してみると改めて平民と貴族の違いがよく分かる。貴族の学生宛の手紙は中の手紙を守るため頑丈な紙で出来た封筒に入れられているしその封筒はきちんとその家に伝わる印璽で閉じられている。知識がある者がみれば差出人の名を読まずとも印璽だけでどの家の者が出した手紙なのか分かるのだ。一方で平民の学生宛の手紙は封筒に入っていない。紙が高価だからだ。平民たちは手紙のやり取りをする際、三つ折りにした紙の真ん中に宛先を書き本文はその裏側に書く。書き終わったら中身が見えないように再び三つ折りにして左右の端を折り蝋で閉じるが印璽など持っていないので適当な意匠の印章で閉じる。封筒に守られていないものから早く渡してやる必要があった。いささか焦りながらも敷地内を歩いて回ると皆がどう放課後を過ごしているのかがよく分かる。
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    MAIKING何話か進めばクロヒルかつロレマリになる予定です。

    書いてる人間はこの2年間クロロレのR18本しか出していないのでTwitterアカウントは閲覧注意かもしれません。タイトルはそのうち決めます。
    4.C(side:H) マリアンヌの鉄筆をすぐに拾ってやれたことからも分かる通りローレンツは気になることがあるとつい目で追ってしまう癖があるようだ。そして自分が見られていることには無頓着らしい。断りきれずに食事を共にした女子学生はさぞ居心地が悪かっただろう、とヒルダは思う。

    「マリアンヌちゃん、何か困っていることはない?」

     先日、マリアンヌに書庫整理の手伝いをしてもらった結果全て自分で作業をする羽目になったヒルダは本格的に彼女が心配になった。マリアンヌには何か根本的な欠落がある。

    「特にないつもりです……」

     養父であるエドマンド辺境伯はマリアンヌとの関係を良好たしたいと考えているのだろう。こまめに手紙や差し入れが届く。だがローレンツから託された手紙をヒルダが渡した時マリアンヌは戸惑っていた。きっと理由を聞いても教えてくれないのだろう。無駄なことはしないに限る。身内になれない他人が踏み込むべきではない領域があるのだ。そう思ってヒルダがマリアンヌに対して引いていた線を数日前、ローレンツはあっさり越えた。
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    MAIKINGクロードによる答え合わせの回です。

    書いてる人間はこの2年間クロロレのR18本しか出していないのでTwitterアカウントは閲覧注意かもしれません。タイトルはそのうち決めます。
    9.interval(side:C) カリードの父と母が出会ったのはまだ父が王位を継ぐ前のことで思い切って国を捨てた母もまさか自分の夫が王になるとは考えもしなかったようだ。しかし大国の王ともなれば情勢を安定させるために妻をたくさん娶らねばならない。そこからカリードの苦難は始まっている。王宮で若き日の父の不始末について八つ当たりをされながら育ち異母兄弟たちからいよいよ追い詰められ進退極まった時に顔を見たことすらない母方の祖父からフォドラへ呼び出された。カリードは王宮という閉ざされた世界からリーガン家を経由しクロードという名で学校という閉ざされた世界へ移り住むことになった。

     綺麗事で秘密を覆い隠すセイロス教会のお膝元での暮らして何になるのかと祖父相手に粋がってみたもののガルグ=マクでの生活はクロードの想像を超えていた。閉ざされた未開の国と思っていたがとんでもない。紋章や英雄の遺産への興味は尽きなかったが何よりもクロードの心を動かしたのは士官学校という場に集う人々の来歴だった。
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    MAIKINGヒルダによる答え合わせの回です

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    12.interval(side:H) クロードは三つ編みを切り落とし少し大きめの黒い喪服に身を包み喉には白い襟締を付けていた。彼は二十歳にもならないというのにリーガン公の葬儀が終わればレスター諸侯同盟の盟主になる。彼がいなければローレンツの父グロスタール伯がその立場についていただろう。

    「遠くから来てくれてありがとうな」
    「クロードくん大変だったね。兄さんと父さんはやっぱり前線を離れられなくて……」

     リーガン公の訃報を知ったゴネリル公は娘のヒルダに飛竜を宿場町で乗り継ぎデアドラへ行くよう命じた。ゴネリル公もホルストもリーガン公の死に乗じてパルミラ軍が攻勢をかけてくる可能性が高く前線から動くことができない。いつもなら面倒臭がって言うことを聞きたがらないヒルダだが今回ばかりは二つ返事で引き受けた。ゴネリル家がクロードを支持していることを世間に知らしめねばならないしデアドラで買い物をしたかったし別れ際に思わせぶりなことをした理由をクロードから直接聞きたいと思ったからだ。
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    MAIKINGクロヒルとロレマリ、シャンバラの辺りです。

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    16.A(side:H) ヒューベルトが生前に残した手紙の件でクロードをはじめ調べ物が苦ではない者たちは書庫に籠ったりレアに話を聞きに行ったりと忙しそうだ。マリアンヌもローレンツも夜更けまでずっと何かを読んでいる。物資の調達を担当するヒルダはその集団に加わっていないがこの先の未来のために絶対に必要な調べ物なのだ、とマリアンヌもローレンツも言っていた。闇に蠢く者たちはガルグ=マクには光の杭を落とせないがそれもレアが存命であればという条件付きらしい。クロードたちはフォドラ統一後のことだけでなく既に五年間帝国軍に捕らえられ弱ったレアの死後についても考え始めていた。

     アンヴァルでのクロードの告白にヒルダは驚かされた。やるかやらないかそのどちらかしかない、と学びながら育ったクロードは自分自身を肯定するためにフォドラ全土を引っ掻き回したことになる。ファーガス神聖王国とアドラステア帝国が滅亡しレスター諸侯同盟の在り方も変化していく。その前にヒルダに伝えておきたかったようだ。疎まれるのが恐ろしくて出自について中々皆に言えなかった、というクロードの発想や心の中に根付く恐怖はマリアンヌとも重なる。クロードはヒルダの前でだけ気を失いヒルダの前でだけ震えていた。震えていたことに気づいたのは最後、抱きしめてやった時だったが。
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