ネフィリア過去編『とある天使の手記』人間は日記というもので日々の記録を残すらしい。そこで私も人間を真似て記録を残すことにした。
これは、ある天使が天使をやめるまでの話…
私の上司はネフィリア様という第三位階の天使であり、生者の死を管理する天使だ。ネフィリア様は淡々と、死んだ者の魂を刈り取った。その姿は美しく、儚いものだった。そのネフィリア様にも上司がいらっしゃって、しかし彼は上に立つものには見えない態度であった。時間は守らず、見た目に気遣う様子もない、だらしない天使だった。それでも私の上司、ネフィリア様は彼を慕い、彼にだけ笑いかけた。
「ネフィリア様、××様が…」
「え、また?ごめん、ちょっと待ってて」
ネフィリア様は急いでその場から離れ、騒ぎの元へ向かう。向かった先には大天使の1人が輪と中心にいて騒いでいた。この後会議があるということを忘れて。
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