リ ブ ル ア ー チ は 泡 沫 に 消 ゆ s i d e - E - この旅の始まりの頃、僕はうまく笑う事が出来なくなっていた。でも僕は皆と、ククールと出会って、いつの間にか以前のように心の底から笑えるようになっていた。そして何より僕が笑うとククールがとても嬉しそうに微笑み返してくれるんだ。
――――きっと僕は彼の事を好きなんだろうな。
漠然としたものから確信に変わるまで、然程時間はかからなかったと思う。彼の些細な行動や言動が、いつも僕の心臓を鷲掴みにして離さない。
「エイト、さっきの戦闘、あんまり無理するな。全部自分でやろうと思うなよ。…な?回復呪文だったらオレに任せときゃいいんだからさ!」
そう言って彼は優しく笑う。
「…エイト、このパン好きなの?…じゃあオレの分もあげよう」
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