シャン・ツンの!楽しい木造建築!ツン:冥界に攻めに行っててすっかり忘れていたが、建設中の神殿がもう完成する頃なんだよな、楽しみだ──ひどくこざっぱりしてるぅぅ?!
ちょっと大工さん!?神殿ぜんぜん出来てないような、というかぜんぜん出来てへんでおまんがな!
魔界モブ:神殿ならまだまだですよ。だってシャン・ツン様、褒美ケチってボクひとりしか雇ってないじゃないですか。
ツン:いいじゃん別に。
モブ:いいですけどあと300年はかかりますよ。
ツン:え~~困るよそれ!もう出来てると思ってライデンに招待状出しちゃったよ!!
~~ライデンの寺院~~
クン・ラオ:ライデン様、郵便です!
ライデン:ホゲー!アホのシャン・ツンからだ。何だいったい??
「アホのライデンへ
魔界にも神殿が出来ました ざまーみろ
お土産を持って来い
良いお土産を持って来い
シャン・ツン
P.S. お風呂上がりに耳掃除をすると
湿っている」
ライデン:腹立つ。神殿か。行かないと軍勢引き連れてやって来そうだな。行ってちょっと見てすぐ帰って来よう。2秒くらい見て。
~~魔界~~
ツン:とにかくもう小さい小屋でいいから作るんだ!!
モブ:小屋でいいんですか!?
ツン:急げ!明日までに作るでおま!!
~~翌日~~
ライデン:シャン・ツンと対峙するのも久方ぶりだな……む、土産を忘れた。まぁその辺の草でいいか。あと小石も少々。
地図だとこの辺だよな神殿──これじゃないよなまさか。
「しんデん」
なんか書いてあるが、違うよな…?これが魔界の神殿だなどと私は信じないぞ。ここにシャン・ツンが居たら信じざるを得ないが……
ツン:ウェ~~
ライデン:居た~~なんか歌ってるし楽器の位置低っく!
ツン:おぉライデンよく来たな。待ってたぞ、弾き語りしながら。
ライデン:弾いてなかったが。
ツン:じつは弾けないのだ。今日始めたばかりでな。
ライデン:それなのにそんなに誇らしげにぶら下げているのか??
ツン:チッ五月蝿いなまったく──楽器なんぞやめてやるわ!!
ライデン:もうやめた!!
ツン:さあとにかく入って入って。出来立てほやほやの神殿だぞ。(ちょっと変なニオイするけど)入って入って~~あ、待った!お土産は持って来たろうな?
ライデン:やはり要るのか。
ツン:要りまくるよ。タダで魔界の神殿に入ろうなど図々しいにもほどがある。片腹痛いわ。
ライデン:じゃあどうぞ。
ツン:こちとらこれだけが楽しみで、……ッ!!おまえぇぇ………
ライデン:謝るから、シャン・ツン。そんなにヘコむな。
ツン:草っておまえ……石っておまえ………
ライデン:それより、まぁまぁな神殿だなシャン・ツン、威厳もあって。
ツン:そんなに良い??
ライデン:(機嫌直った)
ツン:おまえ、なかなか神殿を見る目があるなライデン。
ライデン:神殿ではないが……。
ツン:あ、お菓子あるぞ、食うか?ちょっと変なニオイするけど。
ライデン:要らんわそんなモン──あーもう、臭っ、魚臭い!
ツン:なんだよ美味しいのにムッシャムッシャ不味っっ!!
ライデン: 不味いのか!?
ツン:魔獣の食べられないとこみたいな味がする……飲み込めないほど不味い……ライデン、茶を淹れろ、台所あるから……
ライデン:は?私は客だろ?貴様が淹れろよ。
ツン:ほざきやがれ。私は妖術師だぞ?
ライデン:まったく偉そうに。
ツン:(魔界では)偉いもん。
~~閑話休題~~
ライデン:臭かった~台所からなんか亀虫みたいなニオイしたぞ。床もギシギシいうし大丈夫なのか、この神殿。
あ、風呂まである。なんで台所とか風呂があるんだ神殿に??どんなんだろ──
サブ・ゼロ:ハンゾウ…ハサシ……
ライデン:シャン・ツン、シャン・ツン!!風呂場に燐塊の刺客が!!!
ツン:あぁ、サブ・ゼロだ。サブ・ゼロにはおまえのこと教えてあるよ。
ライデン:名前間違えられたぞ私!?ハンゾウハサシって言われたぞ!?ハンゾウハサシって!!
ツン:おまえの名前覚えにくいんだよ!!
ライデン:覚えやすいわ!神々の中で覚えやすい名前ベスト3に入ると自負してるわ!!
ツン:じゃああとで訂正しとくよ、ムクとかそんなんでいいだろ?
ライデン:いいわけないだろ!
ツン:あーもう五月蝿いな!そんなことよりお茶くれお茶!このお茶神!
ライデン:(誰がお茶神だくっそムカつく~~)ほら、お茶。
ツン:猛烈に指入ってるぅぅぅ!!さすがは私が好敵手と認める雷神……露骨に地味な嫌がらせしやがる………!
ライデン:ではそろそろ帰る。
ツン:え?!もう帰るの?泊まっていきんしゃ~い。ちゃんと布団もあるぞ?ちょっと変なニオイするけど。
ライデン:なぜ何もかも変なニオイがするのだ?!泊まらんわ!!
ツン:何だよ。枕投げを楽しみにしてたんだぞ。なぁ頼むよ。一生のお願い。
ライデン:分かった。ではその枕を寄越せ。
ツン:ん?はい。
ライデン:ほれ!ではそういうことで。邪魔したな。
ツン:待てぇぇぇ!!どこの世界にこんな哀しい枕投げがあるんだ?!こちとら一生のお願いまで使ったんだぞ!!もっと本気でガンガン来い!!
ライデン:私が本気でやれば枕でも相当だぞ。
ツン:見くびるな!枕だろうが雷だろうが華麗に避けてやる!
ライデン:そうか。では遠慮なく。
ツン:ビューティー
~~今日のビューティー~~
ミレーナ🦇
ライデン:直撃ではないかシャン・ツン……避けろよ……
ツン:雷はやめろ、雷は……
ライデン:避けると言うから……
ツン:そうか…何でもありのルールでいいんだな……?知らんぞ貴様……。
ライデン:もう帰っていいか?
ツン:それならこちらにも考えがある!思い知れ!湯呑みマッスルアタック!!
ライデン:危ない!
ツン:アーーー
ライデン:ゆ、湯呑みが刺さった……。
ツン:もう許さん……マジで許さんぞライデン……!
ライデン:え~~今のは貴様の自業自得だろう。
ツン:黙れ!私の辞書に「自業自得」などという言葉はないのだ!
ライデン:とんだ自分勝手な辞書だな!?
ツン:「自分勝手」などという言葉もない。食らいやがれ!超必殺!アウトワールドアタック!!
ライデン:暴れるなこんな狭いとこで!!
ツン:魔界の恐ろしさを知れー!あっ避けられた──背中痛ぁ!!
ライデン:む、地震か?
ツン:ハッ、マズい。いまの衝撃で神殿が崩れそうだ…!
ライデン:崩れそうなのか?!
ツン:じつはこの神殿、急いで適当に作ったから柱とかけっこうユルユルなのだ。
ライデン:ユルユル?!
ツン:チクショー!こんなことならライデンなんかに伝説の奥義使わなきゃよかった!
ライデン:それよりシャン・ツン、はやく外に──
ツン:私は諦めぬぞ、ライデン……頑張って楽器、続けてみせよう……!
完