幸せを奏でて 窓枠に腰掛けて酒杯を傾ける。
抱き抱えた片膝に頬を乗せ、視線を向けると愛しい人が柔らかな音色を奏でる姿が見える。
月光に溶けそうな淡い瞳を覆う豊かな睫毛。高い鼻梁に涼やかな目許。
どこを取っても最高の夫だと魏無羨は唇に笑みを湛える。
視線に気付いた藍忘機が顔を上げると、動きに釣られて闇夜のように美しい黒髪がサラサラと流れた。
「魏嬰」
目が合うと自然と浮かべられる微笑み。
こんな美しい笑みを見られる者が一体何人いるだろう、と思うと擽ったいような優越感が込み上げる。
琴の弦を弾いていた指先が伸ばされ魏無羨を呼ぶ。
窓枠から飛び降りた魏無羨は軽く床を蹴って藍忘機の胸元へと飛び込んだ。
「藍湛!」
「うん」
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