「で、おまえの好きなタイプは?」
「マジでソレ話すのかよ」
「俺はなぁ〜おっぱいおっきい子やな!」
「煩悩のまんまじゃねぇか…」
「ええやろ!?ふかふかで…やわやわで…」
「その手付きやめろや……オイ!!なに俺様の腕握ってんだよ!!」
「いやな、二の腕っておっぱいとおんなじ硬さって言うやん?せやから左馬刻の二の腕でおっぱいを感じよ思て…」
「このクソ酔っ払いが…これ何本目だよゴラ」
「アッやめて!筋肉硬くせんといて!全然やわこさを感じられへん!」
「当たり前だわ馬鹿野郎」
「わかったで!!」
「何がだよ!」
「俺のおっぱいを邪魔するっちゅーことはおまえ…おっぱい派ちゃうんやろ」
「何言ってんだ…」
「まぁ俺も分かるで。太モモも…ええよな…」
「ウゼェ……胸はあれだ、べつに…」
「えっなんやなんや!」
「べつにでかくなくてもいいっつーか…でけぇと大変そうだなって思っちまう」
「あーうん、そやな、合歓ちゃんもおっきいもんな…」
「ア″″″″″??」
「ちょ今のは左馬刻の振りやろ!!俺悪ないやろ!!」
「テメェまさか合歓を…」
「ちゃうて」
「じゃあ胸と太腿以外の話しろや」
「え!? えっとえっと、あれや、笑顔のかわいい子が好きやな」
「……合歓じゃねぇか」
「あかん!!シスコンや!!」
「笑顔以外言え」
「えー!? んとな、あんま怒らへん子!穏やかな子!」
「……」
「……」
「合歓じゃねえか!!!」
「言うと思った!!!!」
「テメェ合歓に夢見てんじゃねえぞ」
「えどういうこと?待って左馬刻おまえこそソレ何本目?」
「合歓はな、結構怒る」
「そうなん!」
「何笑ってんだよ、こえーんだぞ合歓は…ソファの下から俺の靴下片方見つけた時とかよ…ちゃんとカゴに入れてって言ったでしょ!っつって…埃被ってるじゃない!っつってよ…」
「おまえの靴下がかたっぽ埃被るくらいソファの下にあった事がまずおもろいわ」
「だから合歓はおまえにはやらねぇ」
「ウンせやな、大丈夫俺もダチの妹ちゃんに粉かけたりせーへんから、な? 大丈夫やから」
「あ!?合歓に粉かけてどうすんだよ!お好み焼きじゃねえんだぞダボ!!」
「そうやな!!お好み焼きではないな!!」
「合歓は可愛いだろうが!!!」
「うん可愛いな!!!!」
「うるせぇよ!!」
「なんやねんコイツ」
「合歓の相手は俺様より強くなきゃ認めねぇ」
「めっちゃふるいに掛けるやん。てか強くても性格悪かったらどうすんねん」
「そんな奴に俺様は負けねぇ」
「さいでっか」
「テメェこそ」
「へ?」
「チヤホヤしてくる奴が好きなのかと思ってたわ」
「え?」
「その辺の女共…よくテメェに寄ってくんだろ」
「あーそやな、助けた子ぉとか俺の事元々知っとった子もおったな」
「そういう…あれだ、テメェと気軽に話せる奴が好みなのかって見てた」
「はは、見てたん? そういうフランクな女の子も大歓迎やで」
「さっき穏やかな奴が好きっつったじゃねーか」
「あ、うん…まぁ…わからんけど」
「わからんってなんだよ」
「いや俺ほら、男女って喧嘩するモンやと思ってんねん、だから、それってちょっとなーって、思ってて」
「あぁ…?」
「せやからあんま喧嘩したないっていうか、長く付き合うなら優しい子がええなぁって…」
「……へー」
「オイ全然興味無さそうやんけ」
「んな事ねぇよ、そうだなって思う」
「そうだなって、……なにが?」
「俺もその方がいいわ、争いたくねぇ」
「……」
「しかも好きな奴とか…恋人?になる奴とよ、喧嘩しちまうのは、やっぱ避けてぇよ」
「……せやな」
「けど俺はすぐキレちまうんだよな、ずっと怒ってっから」
「……そうやろか? 左馬刻、女子やガキんちょには優しいやん」
「はあ?優しくねえわ。俺は女作ってもきっと大切に出来ねぇから、だからいらねぇ」
「……俺めっちゃええ事考えてんけど」
「ンだよ」
「左馬刻と喧嘩しても左馬刻の事嫌いにならへん子と付き合ったらええんちゃう?」
「そんなのいんのかよ」
「おるって、世の中広いんやで!俺かておまえとよう言い合いしとるけど、左馬刻の事好きやし」
「は…はぁ?」
「せやからそーいう子絶対おる!俺みたいな!」
「おまえみたいなは余計だろ」
「なんでや!きっと俺に似てキュートな女の子やで」
「余計いらね」
「おまえ〜〜〜!!!」
「それならそもそもおまえでいいじゃねえか、男だとか女だからとか関係ねーだろ」
「えっ……」
「あーでも俺様がよくてもテメェの好みに俺様は合わねぇんだったなァ」
「そ、んなん…笑って言うなや……」
「……ねみぃ」
「あんなぁ、俺はおまえの事穏やかやないとは思ってへんよ」
「……」
「それに俺知ってるし、理想とほんまに自分に合うやつはちょっと違うねん」
「つかテメェ飲み過ぎじゃねぇか、顔」
「へ」
「青くなる一歩手前みてぇな顔してんぞ」
「それ赤のピークやん、そんなにやばいか俺!?」
「簓が吐く前に帰るか」
「えー!?介護してぇな!」
「引き止め方嫌すぎんだろ。もういいから座ってろ水持ってくっから……一緒に来てんじゃねぇよ!」
「大丈夫やて、楽しいしジュースも飲んどるし」
「おまえなんでもかんでもメロンソーダで割んのどうかと思うぞ」
「甘辛で美味いで!でもあれやな、おまえ遅くなったら合歓ちゃん心配するな」
「今日は合歓いねぇわ、ダチんとこで勉強会だっつって」
「えっそうなん?せやったら泊まっていきーな」
「あぁ?」
「ここやったらすぐ事務所行けるし、たまにはゆっくり寝たらええやん」
「……簓といると寝れる気がしねぇ」
「なっなんでや」
「テメェ一晩中喋りそうじゃねぇか」
「そんな事あらへんよ簓さん夜は静かやで!」
「……ほんとかよ」
「何故か疑われる簓さん」
「…………じゃ布団借りるわ」
「布団その一組しかないんやけど!!!」
「テメェが泊まれっつったんじゃねえか」
「まさか颯爽と布団取られるとは思わへんかったわ」
「おやすみ」
「待て待て待て俺も寝る」
「狭ぇ!」
「ウワおまえ…タッパ高いとこんなに占領するんかい…嫌味な男やな…」
「オイまじで泊まっていいのかよ」
「へ?全然ええよ…しかも左馬刻まつ毛長すぎひん?美形のマウントやん…」
「……」
「……ん?なんや?」
「……コンビニ行ってくるわ」
「……簓さん雪見だいふく」
「おい雪見だいふく」
「誰が雪見だいふくや!!ちゃうやん雪見だいふく買うてきて〜って!」
「そーかよ」
「ウソです〜俺も行く!!」
「面倒くせぇ奴…」
「何買うん?パンツ?俺のあげよか?」
「サイズ合わねぇだろ」
「そっ……え?そんなに…?そんなに差ある…?」
「あと酒と歯ブラシ」
「まだ飲むんかい、寝えへんのかい」
「飲むだろ」
「飲む。飲んで煩悩を消すわ」
「あ? 胸の話か?」
「ちゃう!……ちゃうし」