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    riiioado829621

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    とにかく眠い理♀︎の話

    #銃理
    gunBarrel

    微睡みの中で疲れた。眠い。とんでもなく眠い。
    襲いかかるその波に必死に抗い、理鶯はがくがくと頭を揺らしていた。

    ▲▲▲

    先週、例のアレが来た。女性特有のアレである。森でサバイバルをして生活する身としては煩わしいことこの上ない事象だが、流石の小官でもこればかりはどうすることも出来ない。なので普段ならば、面倒ながらもタンポンを入れ替えする生活(そして手を出してこようとする銃兎を撃退し続ける性活)を一週間ほど耐え、何事もなく終えるのだ。今回もそうなるはずだった、いや、出血や腹痛などの直接的な症状は落ち着いていたので、実質ほとんど終えたようなものだった。

    だがしかし、そういう時に限って次々と問題は起きるわけで。

    夕方、有栖川が訪ねてきて夜中まで楽しく話をした。そこまではいい。
    話が盛り上がりやっとのこと床に着いた深夜1時、半年に一回あるかないかの大物が罠にかかった。鮮度が落ちないうちにと解体作業をしていると、いつの間にかもう朝の6時。
    有栖川を見送って、多少不健康だが仕方ない、と眠りに着こうとしたその瞬間、左馬刻からヨコハマのゴミ掃除を手伝えという連絡があった。無論、王からの命令に背くなんて選択肢はもとより無いわけで。
    まさかラップをしながら眠れるわけでもなく、今小官は間違いなくぶっ続けで36時間は起きている。ただでさえ生理の直後は眠いと言うのに、大物との格闘に雑魚共の相手にと来たものだから、身体は酷使され疲れ切っていた。

    だが、この予定だけは、銃兎に会えるこの機会だけは、何としてでも逃すわけにはいかなかった。余り良いものではないと分かっているが、コンビニでエナジードリンクまで購入して何とかここへ辿り着いたのだ。お陰で若干頭がふわふわしているが、道端で眠こけてしまうよりはよっぽどましである。今日はアレのせいでご無沙汰だった久しぶりのデートであり、多忙な銃兎が仕事の合間を縫って作ってくれた貴重な時間なのだ。

    (だからこそ寝るわけにはいかない)
    ぶるりと身体を震わせ、理鶯は眠気を払う。その様子を銃兎は全て見透かして愛おしげに見守っているのだが、眠気でぼうっとしている理鶯にとってはそんなこと知る由もなく。このままこうしていれば直に眠ってしまう。銃兎は優しいのでそんなことでは怒らないだろうが、がっかりはするだろう。折角時間を取ってくれたと言うのにそれでは申し訳ない。銃兎だって暇ではないのだ。小官だって不本意である。だと言うならばやることは決まっている。今すぐ、直ちに、小官が眠りに落ちないうちに、ヤるのだ。

    「銃兎、今日はその…、シないのか?」
    袖をそっと引っ張って誘う。
    銃兎は、眠気によって少々とろりと溶けたその言葉に、自重しなければと思っていても思わず手を出してしまいそうになる。しかし理鶯が眠いのはどう見ても明らかなのだ。女性の生理に眠気と言う症状があることは、銃兎だって知っている。しかも理鶯の場合特にそれが顕著だと言うことも。もちろん銃兎だってできることなら身体を重ねたい。久方ぶりのその柔らかい身体を隅から隅まで堪能したい。しかしどう見ても今の彼女には快楽よりも睡眠が必要だ。なので今日ばかりは、と鋼の理性で自分の欲を抑え込む。
    「今日はしませんよ。理鶯、貴方眠いんでしょう?私に構わず寝て良いんですよ」
    銃兎の言葉は的確だった。しかし、それが良く無かった。
    「眠くない。」
    理鶯が拗ねたように頬を膨らませながら言う。
    「眠くなんてない。」
    面白くないのだ。まるで子供のようにあやされたことで、理鶯の負けず嫌いに火がついてしまった。
    銃兎は苦笑して言い返す。
    「絶対嘘でしょう」
    「寝ない!」
    「ほら良い子だから、な?りーおー?」
    「寝ないったら寝ない!」
    埒があかない。理鶯は頬を膨らませたまま「寝ない」の一点張りだ。普段思慮も分別も持ち合わせている彼女は、銃兎の前では若干わがままになる。普段ならここで「可愛い」と無意識に返して完敗してしまうところだが、今回ばかりは彼女の健康の方が優先だ。が、しかし理鶯がこのまま引き下がるとも思えない。

    はぁ、と一つため息をついた銃兎は仕方なく彼女に顔を寄せ、唇を重ねる。ふに、という柔らかい感触に胸が高鳴るのを無視して、触れるだけのキスを送った。3秒ほど経ってから、もう機嫌も治っただろうと離れようとする、
    「……んっ!?」
    ーーが、出来なかった。理鶯に後頭部をガッと掴まれ、引き寄せられたからだ。
    そのままぬるぬると生暖かい舌が口内へ侵入してくる。いつもキスは銃兎から仕掛けるので、こんな風に理鶯からアプローチを受けたことはない。その為あまりこういったことに慣れていないその舌はぎこちなく、たどたどしく、在らぬ所を泳ぎ回るばかりだ。それに少し安心しつつ、ちらりと上目で理鶯を仰ぎ見る。
    「っん、ふ、んぅ、」
    ふっふっと鼻で苦しげに呼吸をしているその顔を見た途端。プチ、と音を立てて理性の糸が切れた。
    「…っ!んんぅ、ふぅ、んっ、は、んむ、ふっ、んんん」
    子猫のようにちろちろと一生懸命舐めてくるその舌の根元に、自分の舌を絡み付けるようにして嬲る。そのまま舌を押し返し、今度は自分が口内を荒らしてやる。仕上げにぢゅうう、と唾液を吸い上げて飲み込み、もはや完全に息の上がってしまった理鶯から顔を離した。
    「…はあ、全く。煽ったのは貴方ですからね?」
    「っ、!うん、いいっ、良いから、もうはやく…!」
    ぱっと顔を綻ばせてこちらへ両手を伸ばす理鶯。
    だが覇気のない声は揺れていて、焦点も微妙に合っていなかった。

    …駄目だ。もう一度息を大きく吐き、新鮮な酸素と冷静な思考を取り戻す。危なくこのまま押し倒すところだった。そうなればきっともう止まれなくなる。睡眠時間も何もあったものではない。ため息をつく。何とかしてこの場を乗り切らなければ。
    「少し、待っていてくれませんか」
    「待て銃兎、どこに行くんだ。」
    立ち上がり、座ったままこちらを見上げる理鶯に優しく問いかける。しかしそんなことで納得する彼女ではなく、袖を強く引っ張られてどこかへ行くのを妨害された。予想通りのその行動に内心舌打ちをしながら、仕方ない最終手段だ、と理鶯の甘えるようなその目に引き寄せられるようにして顔を寄せる。
    「シャワーを浴びてくるんですよ。貴方を抱くために、ね」
    耳元でわざとらしくぼそぼそと呟くその声に、理鶯の火照った身体はぴくんと跳ねた。その程度のことで照れてしまうのに、抱かれたくて自分から誘ってみせるところが愛おしくて堪らない。堪らないのだが、兎にも角にも今日は我慢だ。やっと納得したのか、それともただ照れただけか、下を向いて押し黙った理鶯の額に軽いキスをひとつ。冷えないように毛布を被せてから、銃兎はバスルームに向かった。

    入ったは良いものの、元より致す気でシャワーを浴びに来たわけではない。その間に理鶯が眠ってしまうだろうと考えたからである。意味もなくだばだばとお湯を出し、放心状態で浴び続ける。さっきは危なかった。いつも自分からしないくせに急にキスしてくるのは反則だろう、可愛いがすぎる。この機会に明日にでも強請ってみても良いかもな。まあ確実に殴られるだろうけど。それもそれで可愛いからほんとずるいよなあ。
    羞恥のあまり殴ってくる理鶯を思い出し微笑を浮かべながら(断じて殴られるのが良いとかそういうあれではない。殴ってくる理鶯が可愛いだけだ、俺はMじゃない)そろそろ頃合いだろうとバスルームを出た。お揃いで買ったパジャマに袖を通し、リビングへ向かう。
    果たして理鶯は寝ていた。ローテーブルに突っ伏し規則正しく上下する背中に、やっぱりな、と苦笑してみせる。起こさないようにそっと抱き上げ、所謂お姫様抱っこで寝室へ向かう。
    ダブルベッドにころりと理鶯を転がし、少し考えた末にミリタリージャケットに手をかける。本人が気づいていないのを良いことに襲っているようで若干気まずいが、この機能性を重視した服では寛げないだろう。滑らかな肌とゆったりと上下する胸から必死に目を逸らしつつ、(円周率を数えれば…!と試してみたが、文系なので3.141592、で止まった。諦めて羊にした。)何とかパジャマに着替えさせることができた。
    隣に寝転び、しばらくその穏やかな寝顔を見つめる。もぞもぞと手を伸ばして腕の中に彼女を収め、抱きしめた。自分と同じシャンプーの匂いが嗅覚をくすぐる。その少し癖のある橙色の髪にそっと口付け、銃兎は囁く。
    「おやすみ、理鶯。」
    偶にはこんなのも悪くない、と思いつつ、銃兎も目を瞑った。


    翌日、まんまと策に嵌められたのを察した理鶯が、寝起きの銃兎に一発お見舞いしたのはまた別の話である。

    「殴られたのになぜ笑っているんだ銃兎。まさかそう言う趣味が…」
    「だから違いますって!」
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