よんもじ 遮光性の高いネイビー色のカーテンを閉め切り、ベッドサイドの小さなライトのみをつけた薄暗い室内。加湿器の微かな駆動音が耳元で流れるだけの空間で、部屋の主であるキバナは文字通りダウンしていた。特筆することは無い。季節性の風邪にやられたのだ。最初はその週ジムの受付を担当していたヒトミが。それを皮切りに次々とスタッフ達がやられていく中で、気を付けてはいたつもりだったがどうやらウイルスの方が一枚上手だったらしい。結局数日前から熱を出してベッドに撃沈し、今もしつこい咳と熱に悩まされているわけである。手持ちのポケモン達をポケモンセンターに預けてこれたのだけはよくやった自分と褒め称えつつ、今はなんとかゼリーと一緒に薬を飲んではベッドに沈む生活を繰り返している。
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