愛し合っていた二人は、その1日しか会えないのだという。再会を喜んだその後は、またその日の到来を待つのだ。指折り数えて、ただその日を。
「…この二人、本当に愛し合っていたのでしょうか?」
理解が出来ないと、子羊くんは首を傾げていた。きっと唯一を想い続けるなんて素敵な話ですねとでも言い出すと思っていたのに。
「おやおや、不満そうですね。子羊くんは、このお話は好きではない?」
「子羊じゃありません。いや、好きとか嫌いとかではなくて、疑問が強くちらついてしまって…。この二人、本当に愛し合っていたんですよね?一年も唯一を想い続けられるぐらい、強く。」
難しい顔をしてブツブツ言っている子羊くんに、何をそんなに引っ掛かる必要が?と思う。
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