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    xylophagous7

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    xylophagous7

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    乍朝右界奇譚拾遺集 ─阿墨・瑞州─

    全然進まない。全然はかどらない。
    ということで二編目の阿墨・瑞州の途中経過を晒します。
    めちゃくちゃもだもだしてるところで切れてる。
    ちなみに阿墨・委州で書いたようにぎょそぴは(その手の覚悟は早々に織り込み済みの上で)ヤッチマウ人間だと思います。

    故意に既出分の内容に対する矛盾に見える内容が仕込んでありますが、くどいなと思ったら修正するかも知れません。

    乍朝右界奇譚拾遺集 ─阿墨・瑞州─阿墨・瑞州

    ──瑞州にては 黥面の孤児を探す人在り 其れ、先王朝より仕ふる王師の将帥ならめ とぞ



    再び見つけた黥面の青年、阿墨。
    考え込むように、当代の瑞州師中将軍──友尚は 顎に手を当てた。
    前の阿墨は二十六で死んだ。
    そして黙考の後に答えを出す。
    此度見つけた阿墨、その全身を這う青い墨は「前」に見たときよりも随分と薄い。初めて出会ったとき、阿墨は十代で死んだ。その次見つけた時その痣は黒々として薄まった様子は全く見られなかったのも覚えている。二十六で死んだ次の生では、痣は薄くなっている?
    きっと今度の阿墨も、友尚が庇護下において危難を遠ざけたとしても二十六を過ぎれば死ぬ。
    何故かは分からないが、そこには疑問を差し挟む余地がなかった。(あるいはそれはただ単純に二十六を超えて年を重ねる彼を想像できないという自身の問題なのかもしれない)
    そして二十六で死んだ次には痣は薄くなって、其れを繰り返していずれは消えるのだろう、と。
    ──痣が消えたとき『彼』は? 面影として残された『彼』の存在もまた消えるのだろうか?
    言い得ぬ感情が胸に去来する。
    そして瞬時に、隙間に入り込むように友尚の無意識に囁きかけるものがあった。
    二十六を待たずに死ぬ。それを確実にする方法が一つある。
    それが意識に上った瞬間 友尚は己自身にぞっとした。
    つまりは、その歳を迎える前に殺せば良い。
    「まさか。そのような行い……道義に悖る」
    声に出して後、思考を振り払うようにかぶりを振った。
    だが
    墨が消えれば阿墨を見つける術は失われる。いや、この墨が消えてしまえば彼が再びこの世に生を受けるという保証も無い。
    もはや戴においては名を呼ばうこともできなくなった『彼』のことを思い出す。
    嘗て自らの手を摺り抜けて逝ってしまった人。
    すぐ傍に居たのに、正しい道に留めておくことも、過ちを止めることも出来なかった人。
    阿墨はその人に生き写しだ。年貌としのころが当時に近くなればなおのこと、顔かたちは言うまでもなくものの言い方やちょっとした仕草、表情の出し方まで似ている。
    人の記憶を読み取って幻覚を見せる妖魔などがいれば、自分にはきっとこのようなものを見せるのだろうと益体もないことを考えるほどだ。 しかし幸か不幸か阿墨はまぼろしではない。
    己の記憶と後悔をそのまま形にした様な人間が、何の屈託も無く傍らにいて、語りかければ応えてくれる。それは古傷を抉るような痛みを覚えると共に、幸福であった。
    そんな彼が再び失われる。おそらく永遠に。
    長らく軍に籍を置いているのだ、人一人手にかけるなど友尚にとってはたやすい事である。
    だがこれは軍務ですら無い、完全なる私欲だ。
    それに一度殺したとして、次は? 次もまた阿墨を探し出して、手にかけるのか。
    二度目も殺したとして、そのまた次は?
    昇仙をそれとなく勧めたこともあるが、できると思うのか と笑って流された。さもありなん。
    黥面に対する偏見が無くなる日など来るかどうかも分からない。よしんばそのような世が実現したとして、その時に阿墨が任官し昇仙を願うなどとは限らない。その時自分は彼の意思を尊重して死にゆくのを見送ることができるのか?
    次の阿墨は昇仙を願うかも知れないと期待を捨てきれずに、やはり手にかけるのではないのか。
    たがを外すとはそういうことだろう。
    そうして延々殺し続けておいて、いずれ己の生にいた時には彼の死も生も放り出すのか。
    それに自分は耐えられるのか。
    ──道義だの仁道だの、口触りの言い言葉に包んだところで結局はそこだ。
    自分にその覚悟があるのか?
    いくつも繰り返される自問には、一つとして答えが出せなかった。
    此度見つけた阿墨はまだ若い。
    まだ……時間がある。
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    xylophagous7

    PROGRESS乍朝右界奇譚拾遺集 ─阿墨・瑞州─

    全然進まない。全然はかどらない。
    ということで二編目の阿墨・瑞州の途中経過を晒します。
    めちゃくちゃもだもだしてるところで切れてる。
    ちなみに阿墨・委州で書いたようにぎょそぴは(その手の覚悟は早々に織り込み済みの上で)ヤッチマウ人間だと思います。

    故意に既出分の内容に対する矛盾に見える内容が仕込んでありますが、くどいなと思ったら修正するかも知れません。
    乍朝右界奇譚拾遺集 ─阿墨・瑞州─阿墨・瑞州

    ──瑞州にては 黥面の孤児を探す人在り 其れ、先王朝より仕ふる王師の将帥ならめ とぞ



    再び見つけた黥面の青年、阿墨。
    考え込むように、当代の瑞州師中将軍──友尚は 顎に手を当てた。
    前の阿墨は二十六で死んだ。
    そして黙考の後に答えを出す。
    此度見つけた阿墨、その全身を這う青い墨は「前」に見たときよりも随分と薄い。初めて出会ったとき、阿墨は十代で死んだ。その次見つけた時その痣は黒々として薄まった様子は全く見られなかったのも覚えている。二十六で死んだ次の生では、痣は薄くなっている?
    きっと今度の阿墨も、友尚が庇護下において危難を遠ざけたとしても二十六を過ぎれば死ぬ。
    何故かは分からないが、そこには疑問を差し挟む余地がなかった。(あるいはそれはただ単純に二十六を超えて年を重ねる彼を想像できないという自身の問題なのかもしれない)
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    xylophagous7

    DONEひゅー!最低3編書いて纏めようと思ってた内の1が書けたぜいえー!!
    最低3編ってのは右界もの2本と全く関係ないついでに突っ込んじゃおうって思ってる無関係の1本です。1書けたから残2ー!
    でも右軍の内、弦雄宣施長天伏勝の話書いてない
    書けるなら書きたいけど十月間に合わないじゃん
    そして伏勝絶対このテンション似合わないじゃん
    伏勝は「限界報告書作成講座」とかの方が絶対に似合う
    …ん?それ読みたいな?
    乍朝右界奇譚拾遺集 -願いの叶う宿帳のこと-願いの叶う宿帳のこと

    明幟の二十年頃のこと。凱州北部に舎館(やどや)あり。
    主人 人柄温厚にして篤実、有識故実に明るいとのおぼえ也。
    近隣より請われて閑日私塾の体をなす。
    使ひ古して草臥れたる木簡、竹簡、よろづに継ぎ綴じ手習ひが為に供したるものをば設(もう)ければ訪れたる者みな筆のまにまに書き遊(すさ)ぶなり。誰からと無くいつしか宿帳と呼ばへり。
    さても一つの不思議なること、此の宿帳 見れば脱簡甚だし。
    よしなしごとを書き成して、簡牘(かんとく)失せたる者の言ふ。
    「亡父の形見の盗まれたるを宿帳内にてくねりたり。一月(ひとつき)の後、出でにける」
    「尋ね人より消息来たり」
    「故郷の酷吏の妖魔に遭ひ、官位返上し下野せると聞く。いとこころよし」
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