碧玉卿よ「貴卿は、強者であることに指して興味はないようだ」
「それほどでもないさ」
ドラク家直下ガミオ領城には常に強い風が吹き荒ぶ。
曰く、太陽の呪いを最も受ける、定めなき神の手から溢れた塵どもが、眩しき物の殻から我ら血族を滅ぼさんと言うのだ、だからガミオの領には常に黒鉄で鍛えられた鉄柵が欠かせず、領地の都市部全体を覆っている。願い纏う騎士の血による守りの祈りを至高とする者、この血の匂いの強い土地を無骨だと好まぬ者は“鳥籠”と謗る。
だが、実際に訪れたことのある者なら誰もがわかることがある。
この領地で生きる人々の目は常に希望と喜びが溢れている……。それは、まるで潤うほどに、砂煙を纏い威厳を比較しにした鉄柵も、往来を歩む人の足並みがあるのも闘争を悦び、痛みを受けた騎士たちが太陽から奪い取った神の土地である事に、皆が敬意と誇りを抱いているからだ。
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