未定 緊急入院した私は寂しさのあまり、降谷さんの寝そべりぬいぐるみを抱きしめながらベッドに横になっていた。
点滴をしている手の甲が実際に痛いが見るだけで痛々しくもある。
「ぬいぐるみだった降谷さんが朝にはホンモノに変わってて……えへへへ」
妄想しながら寝るのはいつものこと。
朝、起きたら本当に降谷さんになってればいいのに。
「なんてね、」
そう呟きながら私は眠りについた。その呟きが現実になるとは知らずに。
翌朝、温かい温度に包まれて目が覚めた。目の前には褐色の肌のテレビの画面とか漫画で見慣れた顔があって。
「ふ、ふ、ふ、ふるやさん!?」
驚きのあまり、大きな声が出てしまった。降谷さんを見ると、まだ目を覚まさない。あれだけ大きな声を出したのに不思議だ。降谷さんの顔をよく見ると隈ができていた。
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