愛されてみたい「あー、教授また跡つけてるし」
シャワーを浴びたあとで鏡を覗けば首元の商品コードのあたりが薄らあかく色付いている。
「見えるところに痕は付けるなって言ってるのに……」
教授と体を重ねるようになって少しして、彼がセックスをするときに必ずこの首元にある商品コードに何度も口付けることに気が付いた。
まぁ、そういうのがすきなのだろう。恋人でもない自分の体の至るところに毎度律儀なくらいに痕を残すのだから。
今日だってほら、鏡の中の自分の体は見るのが恥ずかしくなるくらいに薄紅の花弁がいくつも落とされている。
セックスのあとのそれを目にする度に、触れていた手のひらの温度だとか向けられるまなざしだとか自分の中を行き来していた熱だとかを思い出して、腹の奥が再びじんわり熱を持ってしまいそうになるのだから堪ったもんじゃない。
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