クソ魔術師襲来話-chuかわいくてごめん-その日、モーンストロムはとある魔術師の襲来により騒然としていた。いつも通りの学園生活を送っていた生徒たちに、前代未聞の事件が起きたのだ。青寮4年クルール・ドレイパーもその事件を目の当たりにした生徒のうちの1人だった。
「──っ、大変だラニウス!手を貸してくれ!」
「……どうなされましたか、ドレイパーさん」
箒に跨ったクルールが、女子寮の窓から顔を覗かせる。普段であればこのまま目潰しをしていたところだが、血相を変えた彼の様子が、ただならぬ事態が起きているということを示していた。
アマーリエは、ひとまず窓から彼を部屋に招き入れた。息を切らした彼はベットに腰掛ける。
「どうしたんですか、そんなに慌てて。何かあったのですか」
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