恋文の行方について好きです、空くんのこと。だから、これ、読んでください。
震える両手で差し出された、淡いブルーの封筒に込められた気持ちごと、空は受け取る。送り主を見送ったあとで教室に戻ると、魈が待っていた。
「また呼び出しか?」
「うん。……これ」
「……またか。……お前は、毎回受け取るんだな」
「魈は?どうしてるの?」
「我には心に決めている人がいる。応えられぬとわかっていて、受け取ることはしない」
「ふふ、君らしいね」
「……どうするんだ?」
「ちゃんと読むよ。それで、ごめんねって言う」
「律儀なやつだな」
あきれ半分にため息をつく魈に笑って、空は手紙を鞄にしまった。
「この手紙をくれた子が、自分だったらって考えちゃうから」
「……?」
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