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    生大福

    @cream_daifuku24
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    生大福

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    クリーチャー化した創を飼う友也

    「じゃあ創、仕事行ってくるから」

    今日も友也くんは仕事だ。
    ぼくはその間、国の基準で定められた広さの檻の中で過ごすことになっている。

    「はい。あの…気を付けてくださいね友也くん。最近近所の方の視線が厳しいので」
    「気にしなくていいよ創。あんな奴らほっとけばいいんだよ」

    さも気にしていないような友也くんだけど、ぼくは知っている。
    毎週のように家に押しかけてくる近隣住民が、ぼくの存在を快く思っていないということを。

    「ほんとうに…気を付けてくださいね?」
    「ああ、分かったよ」

    そう言い残すと、友也くんは部屋を後にしてしまった。
    備え付けのテーブルには、ラップに包まれた野菜炒めが置いてあった。
    毎回ぼくのためにおいしいごはんを作ってくれる友也くんには、本当に頭が上がらない。

    「たまにはぼくが作ってあげたいなぁ…」

    野菜炒めを完食し、ぼくは檻の外を見た。

    こんな姿になってしまったぼくは、外出の自由なんて当然許されていない。
    所詮危険生物扱いのぼくは、法という名の理不尽な網に囚われている。

    けれど、人の形を留めていない歪な腕でも、ぼくは頑張れるなら頑張りたい。少しでも友也くんの助けになりたかったのだ。

    「檻…開いてる」

    友也くん、慌てて閉め忘れちゃったのかな?
    飼い主の不在時に檻から出るのは不法だけど、ちょうどいい。
    なにせ、料理を作りたいだけなのだから。

    扉が空いていることを確認すると、ぼくは伸びきった足を引きずりながら自室を抜け出した。

    そのままリビングの、台所の冷蔵庫の中身を確認する。
    最初は切り落としたいぐらいだったこの腕だけど、頑張って訓練したから今では料理だって作れちゃいます。

    「…あれ、キャベツが切れてる…」

    時間はまだ朝方。友也くんだってしばらく帰ってこないはず。

    大丈夫、ちょっと出かけるだけ。
    この体も、長袖を着れば誤魔化せるはずです。
    夏場にはちょっと不自然な格好かもしれませんが…。


    「わぁ、久しぶりの外……」

    がちゃり、とドアを押し開けると、外界の空気。
    けれど10年も吸っていなかった外の匂いは、とても異質で。
    ぼくはおかしくなってしまったんでしょうか。
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