現代吸血鬼パロ――――ねぇ、
――――ねぇ、どうしたの?
いつの間にか落ちていた意識の中で、ぽつりと何かが聞こえた。
黒く塗りぶされた闇しかない世界で聞こえてきた音、いや正確には声だ。遠慮と戸惑いを隠しきれない問い掛けは、ふと風が吹けば掻き消えてしまいそうなとても小さな声だった。
そんなものは無視しても良かった。
(……何もしたくない。もう嫌だ)
この世の全てがどうでもいい。
そう思って俺は目を閉じたのだから。
今だって何もかもが面倒に感じられた。せっかく閉じたものを開けるなんて面倒だ。他のことなんてわざわざ気にかける必要なんてない。
なのに、どうしたことか。
今置かれている状況からくる本能的な警戒心からか、はたまたこんな自分に声をかけてくるなんてどんなヤツだろうかと興味をそそられたのか。……少しだけならいいかと邪念が湧いた。
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