雨止みを待つ 二人が週末のたびに食事をともにするようになってから、季節がふたつ巡った。
すっきりしない曇天が、夜明け前にとうとう雨に変わった。時計の短針が八の字を過ぎても、カーテンのわずかな隙間から覗く空は薄暗いままだ。
KKはくわりと大口を開けてあくびをすると、緩慢な動きでベッドから起き上がった。
昨日の宵の口に始まったマレビトとの鬼事に決着がついたのは、そろそろ日付変更線を越えようかという頃合いだった。普段からすればかなり早い時刻の決着だったが、そのせいで現場には人の気配が途切れず、かえって後始末に手こずった。人目を引かぬよう満足に暴れられなかった鬱屈もあって眠りは浅く、おかげで今朝は寝不足ぎみだった。
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