カーテン越しに日の光が差し込むのを見た。
布団の中から顔を出す。隣で横になっている養父はまだ夢のなかのようだ。
その胸に頬を寄せると、心臓の音が耳殻のなかで反響した。うとうとと眠気が再発する。ただの人間のようだと思った。
養父に引き取られてから初めての年越しだ。いまだに本当の私は孤児院の寝台で横になっているのかもしれないと思う気持ちがあった。
あのクリスマスの日に貰った光は、たしかにこの腕のなかにある。
「なんだ、もう起きたのか?」
眠たげな声が笑いを含む。
小さく頭を振って、強く抱き着いた。もう少しまどろんでいたかった。