フリードの周りは、いつも不思議なことが起きる。
「ねえ!フリードってさ、ひょっとして魔法使いだったりしない!?」
ロイがキラキラと紅の瞳を輝かせて言うものだから、フリードはぱちぱちと瞬きをして目を点にさせた。
「えーと、どうしてそう思ったんだ?」
「僕、この間船から落ちそうになった時ものすごい勢いで引っ張られて助かったんだ。そしたら隣にフリードがいて!だからフリードが助けてくれたんじゃないかって」
「たまたま突風が吹いて助かったんだろ。俺は何もしてないぞ〜」
ていうか何落ちそうになってるんだ、危ないことはするなよと言ってフリードはロイの頭を優しく撫でた。ロイは気持ちよさそうにしながらもごめんなさいと言って謝る。
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