海より

　本当の両親からの愛を知らないから、私たちは不幸だろうか。
　例えば私には養父が居て養母も弟も妹もいる。十分すぎるほどに家族だった。きっとそこからあたたかな愛を受け取っているし、私なりに愛を送り出しているつもりだ。
　茨には何もなく、それがきっとEdenなのだとおもう。茨の居場所、大切なもの、一生をかけて育みたい愛。
　家族を知らないからと言って、茨は不幸ではないのだろう。
　それでも茨に、与えたかった。

　＊＊＊

「自分の誕生日としている日は施設に捨てられた日なので正確な出生日は不明ですね。もしかして本当は閣下と同じ日なのかもしれません、アッハッハ」
　仕事の休憩時間に来月の誕生日について聞いたら、茨は笑ってそう答えた。

今天女仆小姐也没能篡位“今日的甜品是焦糖烤布蕾，内馅是糖渍小番茄，饮料是冰镇苏打。”


随着女仆风铃般悦耳轻柔的声音缓缓落下，年轻的男子端着托盘，将两份甜品和饮料送到了自家首领和客人的面前。

西装革履的年轻男子不过是碰巧要向首领汇报近况，结果报告没能提交上去不说，还被前几天新晋的“女仆长”赶鸭子上架当起了临时的服务生。

男子最初是想拒绝的，但无奈对方不知道什么时候抵在自己腰上的手枪过于冰冷，他最后还是出于同事爱答应了对方的请求。


但不得不说，这两份焦糖烤布蕾的卖相恐怖到让上菜的青年也不由得下意识的抖了三抖，绛紫色的软心上是茶色的焦糖，鲜红的小番茄点缀其间，类似章鱼触手一般的不知名物品自上而下贯穿了整个甜点，青年甚至亲眼看到了这个触手时不时还会蠕动一下。