Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    ゆきこ

    軌跡のロイド沼在中、支援課箱推し。ロイド君を中心に色々雑多に放り投げてます。正直地雷原のようなものだと思うので自衛をお願いいたします。
    Rとかこれはちょっと、という話はこそフォロ限定にしておりますがどうかご了承くださいませm(_ _)m

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 296

    ゆきこ

    ☆quiet follow

    支援課でひな祭りの話。まああの世界にひな祭りがあるのかどうかはわかりませんが(汗)
    今回若干ロイド←リーシャみたいな表現があります。とはいえほんの微々たるものだし、彼女がロイド君にそういう感情を抱いているのは公式、のはず。
    そして力尽きて最後がいまいちまとまってないですが、読んだ方に少しでも楽しんでいただければ嬉しいです!

    #軌跡
    locus
    #特務支援課

    「ねえ、ロイド。ひな祭りって、知ってる?」

    キーアが突然そんな事を言い出したのは、2月も終わりに近づいた頃だった。どうやら日曜学校で、東方では3月3日に女の子の健やかな成長と健康を、そして5月5日には男の子のそれを願い、祝う風習があるという話が出たらしい。

    「うーん。しばらく共和国で暮らしてたけど、聞いたことはないな」
    「私も知らないわね。ふたりはどう?」
    「さあ、知らねえな。聞いたこともねえ」
    「私も知りません。そうですね。東方の事なら、リーシャさんに聞いてみてはどうでしょうか」

    ロイドだけでなく他のメンバーも知らないと首を傾げるなか出てきたのは、《アルカンシェル》の看板女優のひとり、リーシャ・マオの名前だった。
    確かに、共和国出身である彼女ならば、何か知っているかもしれないと。善は急げとばかりに早速ARCUSを取り出したロイドは、リーシャと通信を始める。
    その様子を固唾を呑んで見守る面々を見て、ツァイトはくあ、と欠伸をすると、相変わらずの親バカだが平和なのは良いことだ、などと思いながら丸くなり、寝る体勢に入った。



    「ひな祭り、ですか? ええ、知っていますよ。別名桃の節句、とも言いますね」

    ちょうど手空きだったらしく、すぐに通信に出たリーシャが問われた事に知っていると答えれば、画面の向こうではロイドが破顔する。
    その笑顔に少し顔を赤くしながら(リーシャがロイドの事を好いているのは、当人以外にはバレバレである。そう、当人以外には)どうして急にそんな話を? と尋ねれば、キーアが日曜学校で聞いてきたという答えが返ってくる。そしてどういう事をするのかと聞かれたが、共和国よりもっと東の風習のため、リーシャもそこまで詳しくは知らず。
    だがキーアを、そしてロイドをがっかりさせたくはないと以前聞きかじった事を懸命に思い出しながら伝えると、助かったよ、ありがとう、という言葉を残して通信は切れた。
    劇団はもちろんだが、近頃共和国ではきな臭い動きもあり、このところロイドたちと顔を合わせる機会は以前より減っていて。思わいもよらぬあちらからの連絡に、リーシャはそっとARCUSを胸に抱えると、先程見たロイドの笑顔を思い浮かべ、頬を赤く染めるのだった。



    リーシャから詳しい話は聞けた。だが、今から準備を始めて間に合うのか、というのが、支援課のメンバーにとっての次の課題だった。
    ひな人形、というものを飾り、ちらし寿司やハマグリのお吸い物、ひしもちなる物を食べるらしいのだが、見たことも聞いたこともなく、頼みの綱のリーシャも作り方までは知らないらしい。
    お役に立てずすみません、と謝る彼女を宥めて通信を切った後で、何か代わりの物は用意出来ないだろうかと頭を寄せ合い考えた一同は、キーアのお祝いなのだから食べ物はあの子の好きな物を用意すれば良いだろう、という結論に落ち着く。
    となると残るのは人形をどうするか、というもので。
    どうやら女雛と男雛という男女一対の物と、三人官女という三体の女性型の人形、五人囃子という五体の男性型の人形を飾るらしいが、それだけの人形をどうやって用意するかというのは、かなりの難題だった。
    翌日百貨店に行き、支配人に尋ねてはみるが、やはりそういう特殊な人形はなく。代わりと言ってもなかなか難しい。
    マリアベルがいれば、彼女の持つローゼンベルク人形を貸してもらえたかもしれないが、彼女は《結社》へと身を寄せたため、親交などもはやなく。ダメ元でディーターに尋ねれば、やはり人形は全て持っていったという。
    あれこれ手を尽くしたものの人形を揃えるのは無理そうで、ひな祭りが3日後に迫った日、ロイドたちは深刻な表情で顔を突き合わせていたのだが。そこで、ランディが何か閃いたような顔をした。

    「人形がダメなら、いっそ俺らで代わりをするってのはどうよ」
    「へ?」
    「どういうこと?」
    「わかるように説明してください」
    「だから。俺らが乗っても大丈夫なくらい頑丈な台を用意してさ。人数を集めてそれっぽい格好をして、その上に乗ったらどうかって言ってんだよ」
    「うーん。けど、そんなに人数が集まるかな」
    「それに、場所はどうしますか? このビルでは無理なのでは?」
    「それはまあ今から考えるんだが。案としては悪くないんじゃねえ?」

    ランディの出した案にしばし考え込んだ面々だったが、確かに人形を用意するよりその方が良いかもしれないと思い始める。
    するとそこへ、途中から話を聞いていたらしいキーアがやって来て、ならキーアお姫さまがいい! と言い出した。

    「おひなさま、な。けどまあ似たようなもんか? ならキー坊。王子さまは誰がいい?」
    「ロイドー!」
    「え、俺?」
    「まあ、そうでしょうね。なら三人官女は私とティオちゃんと、あとは予定が合えばノエルさんにお願いしようかしら」
    「五人囃子は課長とランディさんとヨナ。それと――」
    「なんだ、俺も数に入ってるのか?」
    「あ、かちょーだ! ねえ、かちょーも一緒におひなさま、しよう?」
    「はあ。まあ、良いが。……なら、そうだな。アリオスと、ダドリーの奴を巻き込め。シズクちゃんも喜ぶだろう」
    「シズク? ならお姫さまはキーアとシズクのふたりで、王子さまはロイドとアリオスのふたりが良いな!」
    「とすると、男があとひとり、か。ワジのやつは今任務中で、ここにはいねえからな」

    ふむ、と腕を組んだランディだったが、その後ろから当のワジの声がする。

    「僕を呼んだかい?」
    「どわ、何でいるんだ? 帰ってくるのは早くてあと5日後になるとか言ってなかったか?」
    「早めに終わらせて帰ってきたのさ。何だか面白い事が起こりそうな予感がしてね」
    「はあ。さすがというか何というか。……ならワジ。五人囃子の最後のひとり、頼んだ」
    「任せてくれ。愛しのリーダーのためなら、張り切っちゃうよ?」
    「ワジ、近いから少し離れてくれ」
    「連れないなあ。前はもっと派手に反応してくれたのに」
    「慣れたんだよ、散々からかわれたからな。……さて、それじゃ後は場所と台と服、か?」
    「場所、ね。市民会館のホールを借りられないか、ちょっとおじいさまに相談してみるわ」
    「なるほど。確かにあそこなら広いですし、大きな台を組んでも大丈夫そうですね」
    「なら台についても、使えそうな物がねえか聞いてみてくれ。イベントで使ったやつとかあるかもしれねえし」
    「後は服か。東方の着物はさすがに無理だから、ドレスやスーツ、か?」
    「なら百貨店だね。まあ、ミラはそこそこかかるだろうけど、いざという時のために換金せずに取ってあるセピスがあるんだろう?」
    「あれはいざという時の蓄えなんだが。……まあ、ある程度なら、持っていって構わん。また貯めればいいしな」
    「ありがとうございます! よし、課長のお許しも出たし、明日百貨店に行ってみようか」

    こうして準備は急ピッチで進められ。巻き込まれたヨナ、ダドリー、そしてアリオスは渋い顔をしたものの、シズクに、そしてキーアに勝てるはずもなく。
    ひな祭り当日の夕方には会場も台も服も用意でき。支援課の面々が張り切って作った料理が会場のテーブルの上に所狭しと並ぶなか、ドレスアップした面々が勢揃いして、せっかく着飾ったのだからと写真を撮った後、賑やかにお祝いをするのだった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    ゆきこ

    DOODLEエアスケブ4本目。くだらない事で喧嘩するロイドとランディと、仲裁しようと頑張るノエルとそれを見守るその他の面々の話。時期は碧の全員揃った後まだ比較的平和な頃でしょうか。
    リクは男性陣ということでしたがワジ君はこういう喧嘩には混ざりそうになかったので、結局喧嘩してるのはふたりだけになりました。
    短時間で書いたので色々荒いですが、読んだ方に少しでも楽しんでいただければ嬉しいです!
    くだらない事で喧嘩するロイドとランディの話支援要請の数も比較的少なく、またようやく全員揃ったメンバーにとって手配魔獣など敵ではなく。
    夕方、比較的早い時間に仕事が終わった後、それぞれくつろいでいたところで突如響き渡った大声に、エリィは驚いて一階へと下りた。
    するとキッチンの入り口では既に騒ぎを聞きつけて下りて来ていたらしいティオが中を覗いていて、その後ろからエリィも覗き込んだところ見えたのは、ロイドとランディが睨み合い、その間でノエルがおろおろとしている光景だった。

    「ねえ、ティオちゃん」
    「何でしょう、エリィさん」
    「今日の夕食当番って、確かロイドとノエルさんだったはずよね?」
    「ええ、そうです」
    「なら、どうしてこんな事になっているのかしら?」
    「それについては僕が説明してあげるよ」
    2017

    ゆきこ

    DOODLE支援課初期メンバーでツインテールの日らしいのでそういう話。最終的にはツインテールじゃなくなってますが(汗)
    この後、どこに行くかにもよりますが相手によって大笑いされたり可愛いって言われたりからかわれたりして散々な一日になると思います(それでも外さないし、もし魔獣の攻撃で外れでもしたらおこになる)
    その日、朝食の後片付けを済ませたロイドはミーティングルームで、目の前に広がる光景に目を瞬かせた。

    「どうしたんだ? みんな揃って髪を二つ結びにして」
    「ツインテール、ですよ、ロイドさん」
    「キーアちゃんがお揃いにしたいって言って結んでくれたのだけど。しなれない髪型は少し恥ずかしいわね」
    「いや、ふたりともよく似合ってる。とっても可愛いよ」

    ロイドの口から無自覚に放たれる言葉にはあ、とふたりはため息をつく。それに、何かおかしな事を言っただろうか、と首を傾げた後、少し言いにくそうにランディの方を向いたロイドは、疑問をぶつける。

    「……その、どうしてランディまでその髪型なんだ?」
    「んなの、俺の方が聞きてーよ」

    そう、女性陣だけでなく、なぜかランディまで髪をくくられ、更に可愛らしいリボンまでつけられていて。納得いかないのかぶすっとした表情で答えたランディがキーアに目を向けると、あっけらかんとした答えが帰ってきた。
    1413

    ゆきこ

    DOODLE支援課でハロウィンネタ。とはいえあの世界にハロウィンがあるのかは謎なので収穫祭を兼ねた仮装パーティーという事にしました。まあ最後にキーアがトリックorトリートって言ってますけど。彼女にこれを教えた人は一体どこから聞いたんでしょうね。
    ロイド君がくすぐったがりというのは捏造です。そうだと可愛いかなと。そしてゲスト出演の方々はこういう場が好きそうで現れそうな人という私の偏見と独断に基づいております。
    「仮装パーティーの手伝い、ですか?」

    マクダエル議長からの直々の要請という事で彼の執務室へと出向けば、その口からは意外な言葉が飛び出した。そのため、パチパチと瞬きをしながらロイドが聞き返せば、そうだ、と頷かれる。
    ここ数年は色々あり、そういった催し物どころではなかったのだが、再独立を果たし、クロスベル内に限れば、の話ではあるが情勢も幾分落ち着いているため、久々に賑やかな事をしたい。そこで思い付いたのが、収穫祭を兼ねた仮装パーティーという事らしい。
    そして特務支援課には、当日の場内での警備兼手伝いを頼みたいという事で、断る理由もないため二つ返事で引き受ける。
    となると次の話題は当然何の仮装をしようかという事だ。
    2830

    ゆきこ

    DOODLEエアスケブ2本目は初書きロイエリ(というか支援課+ロイエリ?)です。リクを見ててパッとネタが浮かんだので書いてみましたがどんなもんでしょう(汗)
    そもそも日頃ほとんど男女カプを書かないので、果たしてこれで良いのか? 大丈夫なのか? と今プルプルしてますが、せっかく書いたので上げてしまいます!
    ふたりの服装はHSのあれのような感じ(ただしエリィさんはもう少し露出は控えめ)かなと思います。
    わざわざ休みを合わせ、ロイドに買い物につき合ってもらう約束をし。今日はデートだと実家のクローゼットから可愛いワンピースを引っ張り出して、いつもより気合いを入れてメイクをしたエリィだったが、待ち合わせ場所に現れたロイドを見て思わずため息をつく。

    「はあ……」
    「え、エリィ? ため息なんかついて、どうしたんだ?」
    「……ねえ、ロイド。私ね、今日はデートだからと思って、頑張ってお洒落してきたの」
    「え? あ、ああ、とても綺麗だ」
    「ふふ、ありがとう。……なのに貴方の格好はいつもとあまり変わらないじゃない? もう少しお洒落して欲しかったなって、ちょっと思ってしまったの」
    「ぐ。……すまない、エリィ」
    「まあいいわ。貴方がそういう事に疎いのは良く知っているから。なら、そうね……」
    2620

    ゆきこ

    DOODLEタイトルまんま、支援課がわちゃわちゃっとしてるいぬの日に因んだらくがき。前に上げたねこの日を踏まえた話だけど、ねこの日にキーアに押しきられて全員(課長やツァイト含む)でねこみみをつけた事だけ押さえておけば読めるはず。なお今回はノエルとワジは欠席です(^_^;)
    初期面子でわちゃわちゃしてるの、やっぱり好きだなあ。人数的にも動かしやすくて丁度良いんですよね。またそのうち何か書けたら良いな!
    支援課でいぬの日の話 2022秋も深まってきた11月1日。
    この日も朝から忙しく支援要請をこなしていたロイドたちがビルへと戻ったのは、夕刻、もう日が沈んだ後の事だった。
    今日の夕食当番はロイドとティオだったが時間も気力もあまりなくて。少し寒いし簡単に鍋にでもしようかと話をしながら入り口の扉を潜れば、途端に4人の鼻孔を良い匂いがくすぐり。
    もしかして、と顔を見合わせた彼らがキッチンを覗けば、そこには予想通りエプロンをつけたキーアの姿があった。

    「おかえり、みんなっ! 疲れてるだろうし、今日はキーアがごはん、作ったよ?」
    「ただいま、キーア。助かるよ。帰りも遅くなっちゃったし、正直今日はあまり作る気力もなかったからな」

    にこにこと笑顔を浮かべるキーアとその頭をなでるロイドという何とも癒される光景に自然と全員が笑顔になり、その後和やかに夕食の時間は過ぎていったのだが。
    2254

    ゆきこ

    TRAINING支援課とセシル姉で、支援課に来たセシル姉に1日振り回されるロイド君というお題をいただいて書いたもの。セシル姉は結構難しくて、あの天然ほわほわ具合とか上手く表現出来ませんでした(泣)。振り回され具合とか色々物足りないなあと思うけど、これ以上思いつかなかったので今回はここまでという事にさせてください!
    今回ロイド君の口調はあえて零に寄せてます。セシル姉の前だと弟君が強く出るんじゃないかなと思ったので。
    「ねえ、ロイド。次のお休みの日に、支援課にお邪魔しても構わないかしら?」

    ロイドにとって姉のような存在であるセシルがそんな事を言い出したのは、支援要請を受けてロイド達がウルスラ病院に顔を出した時の事だった。近頃はアルモリカ村の療養所にいる事の方が多いのだが、この日はたまたま病院にいたらしい。
    彼女の突飛な言動にある程度慣れているメンバーだが、予想もしていなかった言葉にさすがに驚き、どうしてか、と尋ねれば、意外と(というと失礼だが)まともな答えが返ってきた。

    「だって貴方たち、ずいぶん忙しいんでしょう?だから、みんなのお仕事の様子をちょっと確認したいと思って」
    「いや、大丈夫だから、セシル姉…」
    「過労で倒れてしまったら元も子もないわ、ロイド」
    2769

    ゆきこ

    DOODLE支援課で、キーアの誕生日のお話です。そして家族の話でもあるかな。仲良し支援課家族、大好き!
    キーアの本当の誕生日ってもう知りようがないと思うので、ならやっぱりこの日しかないだろうと書いてみました。相変わらずの会話文な上キーアちゃんの台詞って難しくて(あの漢字とひらがなのバランスが)偽物感あるかもしれませんが、読んだ方に少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです!
    キーアと誕生日今後のためと一時支援課が解散し。そして新しいメンバーを迎えて再始動してすぐの頃。
    日曜学校から帰ってきたキーアはどこか元気がなく、しょんぼりとしていて、お帰り、と言いながら手を広げ、いつものように突進してくるのを待ち構えていたロイドは目を瞬かせた。

    「どうしたんだ? キーア。なんだか元気がないみたいだけど」
    「ロイド。……ねえ、ロイドにも、エリィやティオやランディにも、みんなおたんじょうびがあるんだよね?」
    「あ、ああ、そうだな?」
    「きょうね、おたんじょうびだから、おうちでお祝いしてもらうんだってうれしそうにしてる子がいたの。けど、キーアのおたんじょうびはだれも知らないでしょ? だから、だれにも祝ってもらえないのかなあって」
    1836

    recommended works