Playback Mysterytrain ──8号車の後ろにある。貨物車に…
ハッ!、と降谷は目を覚ましたと同時に飛び起きた。
場所は見慣れた自宅のベッドの上。だが息は浅く乱れている。暑くもないのに汗ばんでいる。瞬間夢と現実の狭間が曖昧になって。今から失ってしまう、彼女をどうにか取り止める策を探し求めていた。
はぁ、はあ。と息を整え。心に蠢くぽっかりと空いた黒い穴に飲み込まれていかないよう、食い止める。
悪夢に苛まれる。それは今までも多々あることだった。その度に死に物狂いで乗り越えてきた。今回も。為すべきことを胸に刻んで突き進んでいくしかない。
そんなこと。分かっているのに。
──いーい? あなた達の知り合いが来るまで…
──息を殺して隠れてるのよ!!
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