泡沫の夢に願うのは「マーサが風邪?」
午前中のゲームから戻り。医務室でエミリーから傷の手当てを受けながら聞いたその話に、ナワーブは少し驚いたように聞き返していた。
「ええ。今朝起き掛けに熱が上がったみたいで。昨日から少し体調悪そうだったから気にしてはいたんだけど」
テキパキと慣れた手つきで治療を進めながら話す彼女の話に耳を傾けながら、頭に浮かんだのはいつも凛として真っ直ぐな視線を向け自分の隣に立つマーサの姿だった。
そういえば、確かに昨夜顔を合わせたとき少し疲れているように見えた気がする。
「彼女。ここ最近ずっと試合に出ずっぱりだったでしょ。疲れが溜まってたのかもしれないわね」
はい、おわり。と薬箱を片付け始めるエミリーに軽く礼を告げて手当を受けた腕を軽く回してみたりする。
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