唯一の止まり木広い宇宙、一隻の美しい飾りが施された宇宙船が揺蕩っている。
「次は何処へ行きましょうか⋯」
「プライスレス」号の主人であるアルジェンティはバゲットを食べながら悩んでいた。
すると突然どこからか爆発音が聞こえ船が大きく揺れる。アルジェンティは迷わず少しパンくずの付いたランスを片手に爆心地へと向かった。
「このような訪問をするのは誰ですか!」
爆発音が聞こえてきたのは入り口だった。美しく船を装飾していた飾りがパラパラと壊れ落ちたがベース部分は壊れていないようだ。アルジェンティは警戒したまま煙の向こうを鋭い目で見ていた。煙が少しずつ晴れ、犯人が見えてくる。
「⋯⋯ブートヒルさん?」
「よぉ、いい夜だな。ちょうどいい所にアンタの船があったから乗らせてもらったぜ」
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