Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    ナツメ

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 25

    ナツメ

    ☆quiet follow

    習作
    南斗星君×2神子
    いろいろ捏造しているので何でも許せる方向け

    虎視眈々 ──夢だ、と花梨は思った。今日は神子のときの服を着ている。そうでなければ、高校の制服姿だ。高校を卒業してから随分経つのに、自覚できる夢の中ではたいてい、短いスカートをはいている。もうそんな年でもないのに、とすこし恥ずかしくなる。でも、この姿でないとわからないのかも知れない。自分を呼び出す相手は。
    「ああ、今夜も来てくださったんですね、花梨」
    「南斗様」
    「おいしいお茶とお菓子をもらったんですよ、どうです?」
    柔和な笑みを浮かべる神、南斗星君は自らの宮に、花梨を招き入れる。初めのうちは宮に懐かしさを覚えたものだったが、最近は勝手知ったるに切り替わった。
    「また、北斗様と喧嘩したんですか?」
    「ええ、まあ。兄弟ですし、喧嘩くらいしますよ」
    神子に選ばれたからか、その上で天界でのいざこざに巻き込まれ、天界の窮地をほかの時空の神子と救ってから、度々南斗星君は花梨を天界に呼ぶようになった。こんな風に茶をしばくようになったのは、神子でなくなってからだが。
    「私、もう神子じゃないのに」
    あのときみたいなことはできませんよ、と再三言ったが、南斗星君はそんなことの為に貴女を呼んでるわけではありません、といつものように笑うだけだった。
    「貴女と話したいからこうやって呼ぶんです。貴女は僕の友達ですから」
    「はあ」
    神と友達、というのも不思議だ、と天界の茶を飲みながら、花梨は相槌を打つ。今日の茶は花梨好みだった。
    「あ、それ貴女好きですか!」
    「は、はい。美味しいです」
    「そうでしょうそうでしょう」
    南斗星君は嬉しそうに頷いている。つられて、花梨も笑ってしまう。
    「人の子の命は短いですからね、できるだけ好きなものを摂らないと」
    「命を司る南斗様がそんな話をするんですか?」
    「はい、だから貴女が僕のお嫁さんになってくれたら、いいんですが。もう貴女を守るとかいって、邪魔する八葉もいないですしね」
    「え!?」
    「まあ、今は気にしないでいいですよ」
    時間だけはたくさんありますから、と南斗星君は笑う。
    「い、いつからそんな話になってたんですか」
    「いつからって……ずっとですけど」
    あれ、気付いてませんでした? とあっけらかんと訊ねる。神様からの突然の告白に、友達はどこに言ったんですか、とやっと答える。
    「いまは、ですよ。これは貴女が肉体を失って、僕のお嫁さんになってもいいかなと思ったときの予行練習です」
    さあくつろいでいってくださいね、とお茶のお代わりを注ぎながら、南斗星君は言う。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works