どちらかが媚薬を飲まないと出られない部屋アデル「またぁ!?」
カイト「…………」
アデル「でも、今回は飲むだけでいいのよね。簡単じゃない」
カイト「ああ、飲んだらとっととここを出て部屋へ戻って、効果が切れるのを待てばいい」
アデル「オッケー。で、どっちが飲む?」
カイト「…………」
アデル「…………」
カイト「……あからさまに嫌そうな顔をするんじゃねえ。わかった、俺がやる。耐えてみせるさ」
アデル「ん、お願い☆」
カイト「……よし。開いたな、出るぞ」
アデル「ええ。……どうしたの?」
カイト「いや……思ったより、効くのが……早え」
アデル「えっ、急がなきゃ」
カイト「……先に出てくれ」
アデル「わかった」
カイト「…………っ」
アデル「きゃっ!? ちょ、ちょっとカイト!?」
カイト「……早く。いつもみてぇに……殴って、逃げろ」
アデル「待って、どうし――」
カイト「早く!」
アデル「わ、わかった……って無理よ無理! ちょっと力緩めて!」
カイト「……あー、まずい」
アデル「まずい、じゃないわよ! ああもう迂闊……カイトがこうなっちゃったら、私には止められないのに……!」
カイト「……頼む。なんとかして……離れてくれ」
アデル「そ、そんなこと言われても! ど、どうしようどうしよう……そうだ! もう扉は開いてるんだし、助けを呼べば……!」
キリアン「アデル、カイト! 大丈夫!?」
アデル「キリアン〜〜! 助かったぁ!」
キリアン「間に合って良かった。よっ、と……相変わらずの馬鹿力だな。アデル、この隙間から出られる?」
アデル「ありがと、大丈夫」
カイト「……はぁ、はぁ……すまねぇ、な」
キリアン「…………」
カイト「……どうした」
キリアン「い、いや……なんでもない。立てる?」
カイト「ああ。……っ!」
キリアン「危な……うわっ!」
カイト「……クソ、体、が」
キリアン「カイト、重い……」
カイト「キリ、アン……」
キリアン「!? ちょ、ちょっと待ってカイト! 近い! 近いから!」
アデル「ちょっと、これじゃ被害者が増えただけじゃない!」
キリアン「アデル、なんとかして――ちょ、カイト、待っ――」
アデル「……はっ、そうだわ。今の私はフリー! カイトは無防備! つまり――」
カイト「きゅう」
アデル「よし解決」
キリアン「……アデル、服」
アデル「え? あっ……!」
キリアン「待った、動くと余計にはだける。じっとしてて」
アデル「……ありがと」
キリアン「オレの方こそ助かったよ。そうだ、これからお茶しようと思ってるんだけど、一緒にどう? カイトと行くつもりだったんだけど……本人がこれだし」
アデル「行く!」
キリアン「じゃあ、カイトが目を覚ます前に……そーっとね」
アデル「……うん」
カイト「あれ? 俺、こんなところで何やって――。…………。…………!!!」
アデルとキリアンをどっちも襲いそうになったことを思い出して、一人で悶え苦しむカイトでした( ◜ᴗ◝ )