女性嫌いサフィーのお話 今日は良い天気だ。
見上げた空は澄んでいて、雲ひとつない晴空。
きらきらと星は輝いて、はっきりと見える月が美しい。
夜が好きだった。
いや、月光浴をするのが好きだと言うべきか。
月がよく見える日は外に出て、月明かりの下でぼうっとしたり、読書をして過ごすのが日々の楽しみでもあった。
グリダニア旧市街の端の端。こんな夜更けに人など来ないであろう場所。
何をするわけでもなく、ただただ月を眺めていた。側から見れば、おかしな人がいるように見えるだろう。だけどこの場所ならばそのような心配もいらない。と思ったのだが。
「あの……何しているんですか?」
まさかここで声をかけられるとは思っていなかった。油断していたため一瞬ビクッと反応してしまい、少し恥ずかしさを感じながらもゆっくりと背後を確認した。その人物を見て、思わずため息を吐いた。
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