何故こんな事になったのか、ピッコロもわからなかった。ただ言えることは、空が暗くなったことだけだった。それだって一瞬の出来事であり、目の前の少年の首を噛んだあとだ。
「キサマはオレサマのモノだー」
ピッコロは歯をその首筋にあてがう プチッと皮膚に刺さる音 流れでる血を強引にすするため痛みが増す 牙は奥へと入り込み唾液に含まれていた毒を流し込んでいく
「あ くぅうぅぅ」
悲しい気持ち なぜ そうなったのかわからず涙を浮かべながらも声も我慢している
ピッコロからの修行なのだとおもうしかない
「これでオマエは•••永遠にオレサマのモノだ」
オレサマのモノ•••
首筋から血が流れている少年を抱きしめる。
「悟飯!な、なんだ•••この味は。」
味はわからないも血の匂いが漂う。
「ピッコロ•••さん、ぼくは、だい、じょうぶ•••」
です•••と悟飯の口から出る言葉はなく、目の前の腕に噛み付く。
「ぐぅ!」
悟飯の口から鋭い牙が皮膚に喰い込んでいく、それと同時に瞳の色が赤く口もとは笑っている。
地球人とは違う色の体液が流れ落ちるも、それをすすりあげて飲み込んだ。
「ピッコロさん•••美味しい、ね。」
「悟飯••」
笑顔と口からの体液に、唾液を飲み込んでピッコロは悟飯の額に手を当て眠らせる。
あの時、俺は人間じゃなくなっていたのかもしれない。ピッコロさんみたいに腕は生えることも傷が癒えることもないが、食事も摂ることもなくなった。ただ、目の前の「人」の血は飲むことで腹が満たされた。
そう、目の前の死んでいくトランクスさえも、助けるという感情は浮かばず、血すら飲む気にもならなかった。
ブルマさんにタイムマシーンの話を聞いた時には、過去で再びピッコロさんに会える喜びを感じていた。